今年度は口腔機能、栄養状態、および認知機能との関連性について、全ての検査項目を受診した186名を対象に分析を行った。男性75名、平均年齢66.12(SD=9.75)、女性111名、平均年齢63.93(SD=10.99)であった。認知機能検査として(1)MMSE検査(Mini Mental State Examination)は認知機能の指標として測定した。(2)情報処理速度および注意機能と実行系機能検査としてD-CAT検査(Digital Cancellation Test)、(3)注意機能と実行系認知機能検査としてStroop検査、(4)空間認知検査項目として、Money道路図検査を用いた。残歯数20本以上、未満、および義歯の有無におけるt検定を行った結果、D-CAT検査、およびStroop検査において20本以上残歯数があるほうが有意に高い結果となった(p<.001、p<.006)(p<.001、p<.000)。しかし、これら歯の状態と舌圧および嚥下スクリーニング(EAT)に有意な差は認めなかった。また、舌圧、握力、EAT、認知機能との相関関係では舌圧は年齢、握力、ストループと有意な相関を認めた。また、EATに関しては認知機能であるD-CAT検査、およびStroop検査との有意な相関が認められた。一方、フレイルの区分では186名中、健康89名(47.8%)、プレフレイル84名(45.2%)、フレイル13名(7.0%)であった。フレイル区分別に舌圧、認知機能、握力、嚥下スクリーニング(EAT)の比較分析を行ったが有意差は認めなかった。舌圧、握力、EAT、認知機能との相関関係では舌圧は年齢、握力、ストループと有意な相関を認めた。また、EATに関しては認知機能であるD-CAT検査、およびStroop検査との有意な相関を認めた。
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