生体内炭水化物の多寡が骨格筋や肝臓代謝に及ぼす影響について検討するため、SGLT2欠損マウスを用いて、通常餌(SC;炭水化物57.9%)と低炭水化物餌(LC;20.9%)で実験を行った。自由摂餌下では相対的に高脂肪食になり総摂取エネルギーが増加するLC群で体重増加(肥満)し耐糖能が悪化したが、尿糖排泄するSGLT2欠損マウスでは耐糖能が保たれた。一方、Pair-feedingで摂取エネルギーをSC・LCで同等に揃えると、むしろSGLT2欠損マウスでのみLC群で腹腔内脂肪の増加を伴う体重増加が見られ、炭水化物制限と尿糖排泄が併存すると脂肪蓄積に働くことが示された。骨格筋は遺伝子変化が見られた。
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