研究実績の概要 |
今年度は、摂食抑制機能の強化を目的とした認知行動課題(Food Go/NoGo課題)の作成に取り組んだ。 健常成人59名 (年齢35.0±7.6歳, 21-47歳)を対象に、食品に対するアンケート調査をおこなった。被験者に、一般的に販売されている食品の写真をみてもらい、その食品に対し、1.どのくらい好きか(嗜好性)、2.どのくらいよく食べるか(摂取頻度)、3.どのくらい健康にいいと思うか(健康度)、という3点について、4点法(1=全くそうではない、4=非常にそうである)によって回答してもらった。食品の写真として、高カロリー食品(菓子・スナック類)50品、低カロリー食品(野菜・果物)50品をもちいた。このアンケートはインターネットを介しておこなった。 有効な回答は54名(年齢34.6±7.7歳, 21-47歳、男性=20名、女性=34名)だった。高カロリー食品に対し、品目を個人内要因とし、嗜好性に対する反復測定分散分析をおこなった。この結果から、品目により有意に嗜好性がことなることがわかった (F(49, 2650)= 5.9, p<0.001)。また、同様の解析を摂取頻度においてもおこない、品目により、有意に摂取頻度がことなることがわかった(F(49, 2650)= 11.1, p<0.001)。くわえて、嗜好性と摂取頻度の関連を多重線形回帰により検証した。嗜好性が高い食品ほど摂取頻度が高いことがわかった(p<0.001)。これらの結果から、反復測定分散分析の事後解析により、嗜好性が高く、摂取頻度も高い食品として、嗜好性の高い食品25品目を選別した。この食品25品目をFood Go/NoGo課題のNoGo食品とすることとした。
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