研究課題/領域番号 |
19K11724
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
浅岡 大介 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30420847)
|
研究分担者 |
竹田 努 順天堂大学, 医学部, 助教 (50750527)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 軽度認知障害(MCI) / 腸内細菌 / 脳腸相関 |
研究実績の概要 |
超高齢社会の日本では現在85歳以上の4人に1人が認知症といわれ、2025年には認知症患者は65歳以上の高齢者の5人に1人の約700万人に急増すると推測されており社会的な問題となっている。アルツハイマー型認知症を含む中枢神経系の神経変性異常には酸化ストレスや慢性神経炎症が関与していることが報告されており、他にインスリン抵抗性や脂質異常症といった代謝性変化もアルツハイマー型認知症の発症に関与していると言われている。一方、消化管と脳との双方向の伝達は、Gut-Brain Axis(脳腸相関)として知られているが、近年腸内細菌が重要な免疫の修飾因子としてとらえられ、Microbiota-Gut-Brain axis(腸内細菌-腸-脳軸)という概念が登場し、腸内細菌による中枢神経系への影響が指摘されている。腸内細菌はそのダイナミックな生態系により遺伝学や代謝、ストレスを含む様々な因子に影響を与えていることが判明しており、更にいくつかのプロバイオティックスは腸内環境や抗肥満効果、がん予防効果や免疫調節機能や感染予防等の健康促進効果を有し、近年ではプロバイオティクスの中枢神経系への影響も報告されている。認知症患者の急増は問題であるが、近年認知症が発症する前のMCIの段階での治療の重要性が指摘されている。しかしながら、現在MCIに対する有効な治療法がないのが現状である。そこで、本研究では、軽度認知障害(MCI)患者を対象としたビフィズス菌A-1摂取による認知機能改善効果に対する検討をランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験にて行うことを目的とした。現在、MCI患者への試験食品摂取を開始しており、研究進行中であり、2021年度には研究完了となる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在研究登録は順調に進捗しており、今年度中に試験完了予定である。試験完了後にデータ集積を行い、解析開始する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究完了とともにデータ解析を行い、学会発表・論文化の予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大下で使用額が減少したため、来年度以降に使用予定である。
|