研究課題/領域番号 |
19K11724
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
浅岡 大介 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30420847)
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研究分担者 |
竹田 努 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50750527)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 軽度認知障害 / Bifidobacterium breve / 脳腸相関 |
研究実績の概要 |
2021.11.19に開催された 第7回 Gut Microbiota研究会(於:理化学研究所 横浜キャンパス 交流棟ホール)にて、演題名: 軽度認知障害(MCI)患者を対象としたBifidobacterium breve MCC1274摂取による認知機能改善作用の検討 として、これまでの研究成果を発表した。軽度認知障害(MCI)は年間10~30%の者がMCIから認知症へと移行するため、MCIの段階での介入による認知機能の低下抑制が重要であるが、ビフィズス菌Bifidobacterium breve MCC1274は、脳内の過剰な炎症を抑制することで認知機能を改善させることが報告されている。今回MCI患者に対するビフィズス菌MCC1274摂取による認知機能改善作用ならびに腸内細菌叢への影響を検討した。方法として、2018年2月~2020年12月に来院した65歳以上90歳未満の高齢者で、DSM-5のMCIと診断され、MMSEスコアが22点以上26点以下、CDRが0.5を満たした者を対象とし、ビフィズス菌MCC1274粉末(200億個/袋)またはプラセボ粉末を1日1袋24週摂取による前向きランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を行い評価した。認知機能評価として主要評価項目はADAS-Jcog、副次評価項目はMMSEとし、介入の前後の腸内細菌叢(16S rRNA解析)も評価した。結論として、プラセボ群に比しビフィズス菌群では、ADAS・MMSEともに「見当識」において有意な改善または改善傾向を認め、ビフィズス菌MCC1274摂取による認知機能の特に記憶に対する維持改善作用が示唆された。また、ビフィズス菌MCC1274は腸内菌叢を大きく変化させないことから、本菌の菌体成分ならびにその代謝産物を介した作用が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に研究成果を学会発表として、発表するに至っている。現在、論文投稿中であり、近日中にaccept予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は論文化を目標に進展をはかっている。また、論文をもとに各種学会発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表ならびに、論文化に必要な経費として、翌年度分として合わせて計上する。
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