研究課題/領域番号 |
19K11750
|
研究機関 | 日本薬科大学 |
研究代表者 |
井上 裕子 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (50367306)
|
研究分担者 |
松本 直行 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (20386080)
岡田 直子 日本薬科大学, 薬学部, 助教 (50636165)
中山 亮子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50749843)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
山崎 智恵 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (80817122)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | EBウイルス / ストレス / フードファクター |
研究実績の概要 |
EBウイルス(EBV)の再活性化は様々な疾患の発症への関与が推測されている。EBVは再活性化のシグナルを受けて、最初にEBV前初期遺伝子のBZLF1が活性化してZEBRAタンパクが合成される。ZEBRAは転写因子としても働き、自己及び他のEBV前初期、初期、後期遺伝子の発現を活性化し、潜伏感染状態を脱することができる。このようにBZLF1の転写活性化がEBウイルスの再活性化を単独で誘導することが出来る事から、BZLF1遺伝子の転写活性を測定することで、EBウイルス再活 性化の有無を確認することができる。初年度にBZLF-1のプロモーターにルシフェラーゼを連結させた遺伝子を組み込んだマウスを使用して、拘束ストレスの環境下でのマウスの各臓器におけるルシフェラーゼ活性を測定した。拘束ストレスは当該マウスを2系統(17l、47L)を作出した。そのうち、17lは脳、精巣を除く臓器でほとんど活性が認められず、運動負荷、拘束ストレスを与えても、BZLF-1プロモーター活性は変化を認めなかった。そこで2020年度は47Lマウスを中心に研究を進めた。47Lマウスを1日5時間5日間50mLのチューブ内で拘束した後、各臓器を摘出後ルシフェラーゼ活性を測定して評価した。 in vitroの研究では唾液腺上皮細胞にBZLF-1-Luciferaseプラスミドを遺伝子導入し、TPA,n-butylで活性を誘導し、その活性へのフードファクター(イソフラボン)の影響について検討を行った。その結果、レスベラトロールはTPA,n-butylによるBZLF-1活性化を抑制した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染拡大に伴い、研究が長期間にわたり中断を余儀なくされたため。
|
今後の研究の推進方策 |
遺伝子改変マウスを使った実験の結果、脳や精巣で非常に高い活性を確認できた。そのため、今後は培養細胞にpZP-Luc遺伝子を組み込み、各臓器のタンパク抽出液で刺激をし、臓器特異的にEBウイルスを活性化する因子の検索を行う。 また、ストレスを与えた時のEB再活性化にストレスホルモンのコルチゾールが関与しているか否かを同じくin vitroで検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大のため、研究が中断してしまいそれに伴い使用額も少なくなってしまった。 遅れていた分を次年度に繰り越す。
|