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2022 年度 実績報告書

褐色脂肪組織が担う食事誘発性熱産生の亢進を目指した生体内分子作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K11761
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

山崎 聖美  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 主任研究員 (00218439)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード食事誘発性熱産生 / 褐色脂肪組織 / PPARα
研究実績の概要

食事誘発性熱産生の亢進により、エネルギー消費の増加が期待できる。マウスにスクロースを投与したところ、コントロール食摂取群に比べ、食事誘発性熱産生の有意な増加がみられた。食事誘発性熱産生には褐色脂肪組織の活性化、ミトコンドリア脱共役タンパク質UCP1が重要な役割を果たしていることが知られているが、UCP1mRNA発現はコントロール群とスクロース摂取群で差は見られなかった。そこで、褐色脂肪組織における代謝産物の解析を行なった結果、糖質代謝経路において大きな変化があることを明らかにした。
脂肪酸のβ酸化を制御する核内転写因子であるPPARαノックアウトマウスにスクロースを投与し、脂肪肝発症について調べた結果、野生型マウスでも肝臓脂肪蓄積が観察されたが、PPARαノックアウトマウスはさらなる肝臓脂肪蓄積がみられた。PPARαノックアウトマウスでは、PPARαに制御される遺伝子の発現が少なく、SREBP-1cに制御される脂肪酸合成に関わる遺伝子の発現が同程度であったためと考えられた。また、PPARαノックアウトマウスの普通食摂取群では、オスでは野生型マウスに比べて約5倍肝臓に脂肪が蓄積したのに対し、メスでは増えたものの2倍程度で肝臓脂肪蓄積量に雌雄差が見られた。そこで、解析した結果、オスではPPARαが欠損している代わりにPPARγが働き、PPARα下流の遺伝子発現調節を行なっているが、メスではその働きが弱いことを明らかにした。PPARγは脂肪合成経路の調節が主要な働きであり、それゆえオスでは肝臓脂肪蓄積が多くなっていることがわかった。一方、メスではエストラジオールの働きがあるため野生型マウスでも元来PPARαの量が少なくてすんでおり、遺伝子欠損してもその影響がオスほどないためPPARαノックアウトマウスの肝臓脂肪蓄積量はオスほど野生型マウスに対して差がみられないものと推察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α Has a Protective Effect on Fatty Liver Caused by Excessive Sucrose Intake.2022

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki T, Ihato M.
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 10(9) ページ: 2199

    • DOI

      10.3390/biomedicines10092199

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Differences in vegetable consumption between day workers and sift workers: analysis from the 2018 National Health and Nutrition Survey, Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki T, Takimoto H
    • 学会等名
      22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition
    • 国際学会
  • [学会発表] Sucrose induced fatty liver in PPARα knockout mice2022

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki T, Ihato M
    • 学会等名
      International Congress on Obesity 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 不規則勤務者の食生活実態 平成30年国民健康・栄養調査から2022

    • 著者名/発表者名
      山崎聖美、瀧本秀美
    • 学会等名
      第69回日本栄養改善学会

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公開日: 2023-12-25  

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