IBSに特化した認知・行動指標は心理的介入において重要な変数であり、これらがどのような生理的変化や症状と関連するかを検討することはIBSの病態理解とより効果的な介入方法の構築に大きく貢献することが期待できる。また、IBSは慢性疾患であるため、これまでのIBS研究で非侵襲的な試料として測定に用いられてきた唾液よりも、長期的な分泌を反映する爪(または毛髪)試料の方がIBSの病態との関連を検討する上ではより適している。研究期間中はCOVID-19パンデミックのためにこれらの新しい試みの準備に留まったが、IBS研究やストレスバイオマーカーの発展に役立つ成果を発信できたと考える。
|