肺高血圧症は何らかの原因で肺動脈圧が慢性的に上昇し、右心室や肺動脈に代償性のリモデリングを引き起こす進行性の病態である。近年では優れた肺動脈拡張薬が開発され一定の効果を上げている一方、全身性慢性炎症を伴う肺高血圧症患者の生命予後は改善の余地を大きく残している。 本研究では、インドール類縁体のいくつかに強い抗炎症作用を有することに着眼し、肺高血圧症病態下で生じる右心室肥大や線維化に対して抑制作用を示すものを見出すことを目的とした。培養細胞を用いた検討により、キャベツ等のアブラナ科野菜に含まれるインドール類縁体は、アンジオテンシンに誘発される心線維芽細胞の活性化を抑制する可能性を見出した。
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