研究課題/領域番号 |
19K11774
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮崎 哲朗 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30600473)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脂肪酸代謝 / 低栄養 / 高齢者 / 心血管疾患 / フレイル / せん妄 |
研究実績の概要 |
高齢心血管疾患患者は肉体的、精神的、社会的脆弱性を包括する概念であるフレイルの状態にある。申請者らは、若年患者と異なり高齢心血管患者においてはフレイルの一因となる低栄養状態こそ予後不良因子であることを報告している。本研究では、多施設前向き介入研究により「ω-6系多価脂肪酸ならびに脂肪酸代謝関連物質への介入が、心血管疾患患者の予後を改善するか」を解明することを目的とする。 今年度はCoronary Intendive Care Unit (CICU)に入室した種々の心血管疾患患者のデータベース作成、血液検体等の保存、解析を進めているが、コロナ禍において進捗が遅れていることは否めない。また一昨年から心血管疾患患者ににおける低栄養とせん妄、認知機能の関連について研究の領域を広げているが、そのデータベースの作成の中で心停止からの蘇生患者における脳機能改善に早期の心肺蘇生が重要であることを見出し論文発表(Impact of bystander cardiopulmonary resuscitation on neurological outcomes in patients undergoing veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation. Int J Emerg Med. 2023;16: 8.)を行った。さらにエイコサペンタエン酸(EPA)周術期投与による人工膝関節置換術後静脈血栓症発症抑制効果と安全性の検討について第95回日本整形外科学会学術集会で報告を行った。 また基礎研究として脂肪酸代謝関連物質であるリゾホスファチジルコリンが、M2マクロファージのコレステロール排出に係り動脈硬化惹起精に働く可能性について第95回日本生化学会大会に報告している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CICUでのデータベース作成、血液検体保存、脂肪酸代謝に関わる長鎖脂肪酸等の各種測定は順調に行われている。しかしながらコロナ禍により疾患患者の入院制限等により、研究参加者自体が減っているのが現状である。その中でもMRSによる心筋内中性脂肪測定等の特殊な検査のリクルートには前年と変わらず難渋している。測定に関わる大学院生、スタッフが増加したことにより、今後進捗していくと考えている。 また現在、症例を急性大動脈疾患患者、心停止患者に拡張して調査を行っており、それぞれ学会発表を行った、今後論文化を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究に関しては、予定どおりCICU入院患者においてω6系脂肪酸代謝に関わる栄養素の測定を継続、解析をしていく。当初の研究目的では、これらのω6系脂肪酸及びそれに関わる栄養素を是正する食事プログラムを作成することとなっているが、それに加え心臓リハビリテーションがこれらの栄養素にどのような影響を与えるかも引き続き考察する。 また現在、急性心血管疾患患者の予後規定因子となりうるせん妄発症と脂肪酸バランスを含んだ栄養状態に関する調査も行っており、せん妄発症が治療介入効果のサロゲートマーカーに成り得るかを検討する。さらに症例を大血管疾患患者、血栓症患者、心停止患者に拡張して調査を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に関しては、コロナ禍のため、学会等への出張が減ったこともありその額に相当する繰越金が発生した。 (使用計画)米国心臓病学会、欧州心臓病学会に参加の旅費及び論文掲載料に使用する予定である。
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