研究課題/領域番号 |
19K11788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
松井 弘樹 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (20431710)
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研究分担者 |
須永 浩章 足利大学, 工学部, 講師 (10760077)
横山 知行 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (70312890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脂肪酸組成 / 心肥大 / 心不全 / ミトコンドリア |
研究成果の概要 |
我々は全身Elovl6欠損マウスおよび心筋細胞特異的Elovl6欠損マウスを用いて、横行大動脈縮窄術(TAC)による心肥大モデルを作成したところ、コントロール群で見られた心重量/体重比および間質線維化の増加および左室内径短縮率の低下が有意に改善し、心肥大や線維化に関わる遺伝子の発現が著明に抑制されることを明らかにした。その分子メカニズムとして、Elovl6の欠損により変化する特定の脂質がミトコンドリアの恒常性維持に重要な分子を増加させ、圧負荷に伴う不良ミトコンドリアの処理、マイトファジーを誘導し、過剰な酸化ストレスや炎症反応、細胞外マトリックスの産生を抑制することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
脂質代謝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアは生体エネルギーを作り出す重要な細胞内小器官であり、そのエネルギー基質である脂肪酸との関連は密接である。生体は食事摂取により、多様な脂肪酸を外因性に取り込み、さらにはグルコースからも内因性に脂肪酸を合成するなど、量的・質的にも変動が生じやすい。我々の検討から、Elovl6による脂肪酸組成の変化がミトコンドリア品質の維持に関わることを初めて明らかにした。さらに、心臓のみならず肝臓、骨格筋、腎臓など代謝が活発な臓器において、脂肪酸組成の変化とミトコンドリア品質制御機構の臓器間での共通点を明らかにすることが出来れば、脂肪酸を基盤とした栄養療法など、多様な疾患予防への効果が期待できる。
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