2021年度も新型コロナウィルス感染拡大のため社会的に様々な制限が継続した1年であった。その中で、肥満外科手術を19症例、初年度から研究期間内に肥満外科手術を46症例に対して手術及び、研究項目の検査を施行することができた。 研究項目である1)骨格筋量の測定、2)ヘパトカイン[selenoprotein P (SePP)とleukocyte cell-derived chemotaxin 2 (LECT2) ]の測定、3)腹部CTによる内臓脂肪量と肝容積の測定、4)次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析による腸内・口腔内細菌叢の変化、5)糞便中の胆汁酸分析、有機酸分析、短鎖脂肪酸分析、pH測定及びエネルギー量の測定、6)ヘパトカインの変化とインスリン抵抗性の関連性の解明と肥満2型糖尿病(T2DM)患者の糖代謝改善機序の解明に必要なデータの集積を継続して行うことができた。昨年に比べ、手術件数を増加させることができたが、以前、国内外ではさまざまな研究に制限が生じており、研究の継続を一時中断せざるを得ない施設も存在している。その中で、データ集積を継続できたことは、研究の進捗に大きな影響を与えたと考えている。 本研究結果が、今後の肥満外科手術に更なる発展に貢献できることを期待している。
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