研究課題/領域番号 |
19K11797
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏和 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (70270527)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 補酵素Q10 / サプリメント / 遺伝子一塩基多型 / 食品 / アンチエイジング |
研究実績の概要 |
愛媛県上島町および新居浜市で2022年11月に開始された「ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)含有食品による地域住民の健康維持・増進効果の検証(通称 Q10ヨーグルト健診)」試験参加者を対象に、「還元型CoQ10含有食品摂取による健康維持・増進効果の遺伝的個人差」という試験名の臨床試験を開始し (UMIN000049508)した。2年間の還元型コエンザイムQ10摂取による老化の遅延効果に個人差をもたらすSNP型を調査する。2022年11月の本試験参加者は、219名(男性54名、女性165名)であった。参加者の血液サンプルよりゲノムDNAを調製後、昨年度以前に女性でCoQ10サプリメントの吸収や、主観的QOLを評価するSF-36スコア維持のサプリメント効果と関連を報告したrs2032582、rs1761667、rs3808607、rs2072183の4SNPのSNP型を決定した。4SNP型の分布は、上島町と新居浜市で若干異なっており、地域によるコエンザイムQ10の健康増進効果の違いが期待された。参加者は、2024年11月までの2年間にわたり100mgの還元型CoQ10入りの食品を毎日摂取し、半年ごとに血清コエンザイムQ10レベルおよび身体機能、認知機能の評価試験を行う予定である。また、開始時と終了時(2024年11月)にはテロメア長ならびにテロメアG-テール長の測定も行う。次回は、2023年5月に試験を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症まん延の影響により、令和2~3年度は臨床試験を実施できなかった。令和4年度になってようやく臨床試験実施の見込みが立ち、11月に新規試験を開始することができた。研究の再開が可能になったため、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月および11月実施のQ10ヨーグルト健診参加者の血清CoQ10レベル、身体機能、認知機能の検査結果を基にして、CoQ10摂取による健康維持増進(または老化遅延)効果および血清CoQ10レベルを評価し、CoQ10サプリメントの吸収との関連が報告された4SNPとの関連を調査する。また、CoQ10の代謝に関連する遺伝子のうち、AIFM2、NQO1、COQ6遺伝子上にあるSNP型の決定をPCR RFLP法により実施する。さらに、2023年5月には30名程度の新規参加者を募集する予定である。新規参加者においては、女性でCoQ10サプリメントの吸収との関連が報告された4SNP型の決定も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒト臨床試験が実施できなかった2020年、2021年の未使用分の累積のため。2022年に開始したヒト臨床試験およびその関連研究を実施するための費用や、研究成果の公表ののための費用として使用する。
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