本研究では、シスプラチン(CDDP)誘発疲労モデルマウスを作製し、本モデルマウスが呈する疲労様行動に対する糖類の有用性について検討を行った。その結果、グルコースによる肝グリコーゲンの合成が抗疲労作用に寄与することを見い出した。しかし、グルコースは、宿主だけでなくがん細胞にとっても重要な栄養源であるため理想的な抗疲労物質とは言い難い。そこで、同じ糖類でも難消化性オリゴ糖であるラフィノースを用いて検討したところ、ラフィノースは腫瘍成長に影響を及ぼすことなく CDDP 誘発疲労様行動の改善が認められたため、難消化性オリゴ糖はグルコースよりも優れた疲労改善物質となりうる可能性が示唆された。
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