研究課題/領域番号 |
19K11801
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
今井 伸二郎 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (50629152)
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研究分担者 |
萱嶋 泰成 山梨学院短期大学, その他部局等, 教授(移行) (90365453)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 非アルコール性肝炎 / サーチュイン / アルキルレゾルシノール / 機能性食品 |
研究実績の概要 |
非アルコール性肝炎に対する機能性食品の有用性を検証する目的で作用メカニズム評価を行った。評価対象食品としてアルキルレゾルシノール(ARs)を選択した。これまで、モデルマウスとしてコリン、メチオニン欠損食投与による肝炎モデルにARsを投与し評価した結果、投与1か月で対照群と比較して有意なGOT,GPT値の低下が認められ、ARsによる脂肪肝、肝炎の抑制効果が確認されている。そこで本年度はARsの作用メカニズムの解明、ARsのヒトへの抗肥満作用と肝機能改善作用の検討を目的として実験を行った。 酵素抗体法やウエスタン・ブロッティング法によりARsにより活性化されるサーチュインのターゲットがPGC-1αであるかどうかを評価した。また、臨床試験を行い、ARs摂食による体重や血液マーカーの変化を調べた。 その結果、ヒト肝癌細胞中やマウス肝臓中の脱アセチル化PGC-1αを測定する方法を確立し、ARsにより活性化されるサーチュインのターゲットがPGC-1αであることが確認された。臨床試験において、ARsサンプル群では体重やAST、ALT値、LDLコレステロール値などの有意な減少が確認された。このことから、ARsを含む食品の摂取は抗肥満作用、軽度の脂肪肝による肝炎の抑制、有害なコレステロール値を低下させる効果がある可能性が示唆された。 以上のことから、ARsは肥満を要因とする生活習慣病の予防、改善効果のある機能性食品として応用されることが期待出来る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、非アルコール性肝炎の作用メカニズムを解明し、それに加え、臨床試験により、機能性食品としてアルキルレゾルシノールが肥満および肝炎を抑制し、各種肝炎マーカーを低下させる効果が示されたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後メカニズムに関し、Sirtuinの活性化以降の詳細な作用メカニズムについて解明していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、物品費として購入した、遺伝子発現定量に関わる、酵素抗体法試薬キットの使用が予定より少なかったため、安価に購入できたため。生じた残額は次年度費用として、遺伝子増幅定量キット(PrimeScript; One Step RT-PCR Kit)等を消耗品費として購入する。
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