研究課題/領域番号 |
19K11806
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (00351213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フレイル / 栄養 / 食品多様性スコア / 睡眠 / 食欲 / 運動 |
研究実績の概要 |
地域在住高齢者の睡眠とフレイルの関連について検討した。 Nagoya Longitudinal Follow up Study for Healthy Elderly (NLFS-HE)に参加した健常高齢者男女のうち、調査項目に欠損のない241名(男性109名、女性132名、平均年齢75.0±4.5歳)を解析対象とした。睡眠指標はピッツバーグ睡眠質問票日本版(Japanese version of PSQI;PSQI-J)を用い、PSQI-J総合得点5点以下を睡眠障害なし群、6点以上を睡眠障害あり群とした。また、フレイルの判定はFriedらの定義を用いて評価し、身体計測値、身体機能、栄養摂取状況(食物摂取頻度調査、食品多様性スコア)、栄養状態(Mini Nutritional Assessment®;MNA®)、健康行動(運動習慣、外出頻度、食欲)について比較検討した。 PSQI-Jの平均は4.46±2.63点であり、睡眠障害ありは71名(29.5%)であった。身体的フレイルの有症率はプレフレイル、フレイルともに睡眠障害あり群では睡眠障害なし群に比べ有意に高かった(プレフレイル:32名vs 16名、フレイル:11名vs 5名)。睡眠障害あり群ではMNA、食品多様性スコア、運動習慣、食欲が有意に低値であり、食事回数が少なかった。また、エネルギー、炭水化物の摂取量、いも類、卵類、乳類の摂取量が有意に少なく、朝食の欠食頻度が有意に多かった。 睡眠状況の把握、改善がフレイル発症の予防につながる可能性があると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍であったが、当初の予定通り郵送での聞き取り調査を実施し、調査対象者のフォローアップ調査について概ね順調である。調査予定の項目について、ほぼ実施できている。現在、取得したデータをデータベース化し、解析に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
健常高齢者におけるサルコペニア・フレイル予防因子の検討を行う基礎データを経年的に集積できている。引き続き、多角的に調査を実施継続し、横断的・縦断的に研究を続行する。 コロナ禍での高齢者の変化を把握し、その影響を多面的に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、国内外の学会がWEBや誌上等開催となったり、延期となったため。
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