低炭水化物/高脂肪の栄養食であるケトン食には痙攣発作を抑える作用があり、薬が効かない難治性てんかんの症状を改善できる。肥満治療への応用のために改変されたケトン食(アトキンス食/糖質制限食)も社会的に注目されている。しかし、その作用メカニズムについては不明な点が多く、適切に利用するための科学研究が必要とされている。本研究では、てんかんや肥満の治療への適切なケトン食の利用を目的として、ケトン食の脳や肝臓への作用を評価するための指標となる生体分子をマウスを用いた実験系により探索し、ガングリオシドを候補分子として見出した。本成果は、患者に負担の少ないてんかん治療食の開発などへの応用が期待できる。
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