本研究は,トポロジが動的に変化するネットワークにおいても十分に実用に耐える,故障耐性を持つ分散アルゴリズムの設計を目的とした.動的なネットワークでは,リンクの切断やメッセージの損失,外乱によるメモリ内容の改変などの一時故障が起こりやすい.そういった故障や変化に対する耐性を持つ分散アルゴリズムとして,自己安定性を持つ分散アルゴリズムが有効である.本研究では特に,解状況が動的な問題について考え,その一つとして危険区域問題を扱ってきた.これは相互排除問題やk-相互排除問題,相互包括問題など,多くの応用が考えられる問題を一般化した枠組みである.
|