研究課題/領域番号 |
19K11832
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
安藤 映 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (20583511)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | #P-困難性 / 近似アルゴリズム / 高次元多面体 / 体積の計算 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、昨年度に投稿した論文について第1回の査読結果を受けて論文の手直しを行った。この論文は、閉路のない有向グラフにおいて、辺の長さが互いに独立な確率変数である場合にその最長路長さの分布関数を求める手法に関するものである。修正した論文はarXivで公開されている(https://arxiv.org/abs/1910.09791)。 また、共同研究者とオンラインでのディスカッションを行って、n次元正軸体に2点を加えた点集合の凸包について、その体積を効率的に計算する手法についての考察を継続して行った。こちらはまだ公表に至ってはいない。n次元正軸体と1点の凸包の体積を計算する方法を拡張し、わずかにずらした正軸体を並べ、その差分の体積を計算する点では同様のアイディアである。ただし、n次元正軸体と2点の凸包を計算する際には、その並べ方および差分の計算において急に複雑になるため、見通しをよくするための手法が必要である。今年度はオンラインでのディスカッションを経て、ラプラス変換を用いることによって計算の見通しを改善することを試みた。本研究課題に適用できる形に変形したラプラス変換を考え、もとのラプラス変換の性質を保つことが可能かどうか、いくつかの案を試行している。 この年度は研究の進捗を十分に得ることができなかった。理由としては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、担当する全ての講義をオンラインとする対応を余儀なくされ、このため授業の準備等にエフォートを割かざるを得なかったためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
先に述べた通り、この年度は研究の進捗を十分に得ることができなかった。理由としては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、担当する全ての講義をオンラインとする対応を余儀なくされ、このため授業の準備等にエフォートを割かざるを得なかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は新型コロナウイルス感染症の対策によって研究課題に取り組むことが困難であったが、今年度からは例年のペースで研究課題に取り組むことができる見込みである。ただし、単純にペースを上げるという形で遅れを取り戻すことはできない。本研究の申請時点では2021年度が最終年度であったが、研究期間を1年延長し、2022年度まで研究を行うことを検討している。延長が認められれば実施内容として、主に2021年度においてn次元正軸体と2点以上の多面体の体積の計算などについて研究成果を出し、2022年に論文として発表する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
先に記した通り、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のための施策のために研究活動を行うことが困難であった。特に、申請者の所属している専修大学は神奈川県に位置しており、他都道府県への移動を自粛したために旅費の支出を行っていない。2021年度以降、徐々に移動の自由が確保でき次第、研究会や国際会議にて情報収集および成果発表を行うことで支出を行う。また、研究期間の延長が認められるならば、新しい生活様式に対応した研究活動のための機器の購入を行う。
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備考 |
https://arxiv.org/abs/1910.09791 論文誌に投稿し査読中の論文をarXivに掲載したものである。査読者からの意見を取り入れ、証明等について改善を行っている。
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