研究課題/領域番号 |
19K11846
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
伊藤 聡 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (50232442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リーグスポーツ / 総当たり戦 / クリンチ数 / エリミネーション数 / 順位判定基準 / 整数計画 / 組合せ最適化 / 勝率方式 |
研究実績の概要 |
本研究は、リーグスポーツの総当たり戦において順位決定に係る複数の判定基準が存在する場合に、リーグ優勝やプレーオフ出場権など特定の状況(指標)が達成されることが確定する最小の勝ち試合数(クリンチ数)や、逆にその状況(指標)に届かないことが確定する最小の負け試合数(エリミネーション数)を、数理最適化問題を解くことにより高速に求める汎用的な仕組みを開発すること、そしてこの過程で現在の汎用最適化技術を用いてどの程度複雑な問題まで実用的に取り扱うことができるのかを明らかにすることを目的としている。 本研究で取り扱う数理モデルの多くは非線形の整数計画問題もしくは混合整数計画問題として定式化される。例えば、日本や台湾のプロ野球リーグで採用されている勝率方式の場合、非凸2次の不等式制約条件を取り扱う必要がある。また、北米のスポーツリーグで採用されているワイルドカード方式などに起因する非線形性や、順位決定の基準が複数あることに起因する非線形性も存在する。 整数計画問題や混合整数計画問題に対する汎用最適化ソフトウェアの進歩は近年めざましく、現在では非凸の制約条件もかなり満足に取り扱えるようになっており、ワイルドカード方式や複数の順位判定基準を持つ複雑な非線形モデルに対しても、順位判定基準をコンポーネント化すること、また上下界を与える多層構造を利活用することにより、十分許容できる時間内で解が得られることが確認できている。 新型コロナウイルスの感染拡大など社会の状況により実施に制限を受けるリーグスポーツの現状を鑑み、実施形態の変更にも容易に対応できる汎用的な枠組の開発を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により最近のリーグスポーツの実施形態が通常と異なることなどの理由により、研究計画調書および交付申請書に記載した当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
社会状況に影響を受けやすいリーグスポーツの現状を鑑み、実施形態の変更にも容易に対応できる、より汎用的な枠組の開発を目指すため、実施期間を延長することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究打合せのための旅費が2年度にわたり未使用であること等による。事業実施期間の延長が認められたため、翌年度に使用する。
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