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2022 年度 実施状況報告書

縮小型事前分布によるベイズ統計的推測の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K11852
研究機関神戸大学

研究代表者

丸山 祐造  神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30304728)

研究分担者 分寺 杏介  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40962957)
湯浅 良太  統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (90964487)
羽村 靖之  京都大学, 経済学研究科, 講師 (00964983)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード統計学
研究実績の概要

2022年度も2021年度に引き続き多変量正規分布の平均ベクトルの推定問題を考えた。特に分散が未知であるという設定は,多変量解析の最も重要なモデルである重回帰モデルを正準化したケースである。そのために,現実のデータ解析でも重要である。既存研究と同様に平均二乗誤差を尺度調整した損失関数を推定量の性能評価に使う。この設定において,ベクトルの次元が3以上の場合に標本平均(ベクトル)が非許容的となるスタイン現象が知られている。分散が既知の場合には,自然な推定量である標本平均を改良して許容的な推定量のクラスが知られている。さらにそのような性質をチェックするための十分条件も整備されている。一方,分散未知の場合には,標本平均を改良して許容的な推定量のクラスは,分散パラメータが局外母数となるために取扱が難しい。特に一般化ベイズ推定量で標本平均を改良して許容的な推定量は知られていなかった。

2020年度に平均ベクトルの次元が3以上の場合にそのような推定量を見つけた。事前分布としては分散パートに指数のベキが-1のpower functionという広義の事前分布を想定し,一方平均パートには既存の研究で多く想定されてきた正規分布の尺度混合分布を想定した。2022年度は,2021年度に引き続いて,ベキが-1でない場合に許容的な推定量が存在する可能性について検討した。ベキが-1でない場合では,分散既知の場合との類似性がなくなり,扱いが難しい。そもそも-1という不変測度の冪が最適なのかどうかなど,複数の問いを解明するためにさらに研究を続ける所存である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共同研究者の所属大学に,2022年9月に訪問して研究を進めた。それ以外の期間は電子メールで連絡を取って研究を進めた。一定の理論的な進展が見られた。

今後の研究の推進方策

これまで通り,Rutgers大学Strawderman教授との共同研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のために,共同研究者を複数回訪問できなかった。今後も共同研究者との共同研究のために助成金を使うことを念頭に置いている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A review of Brown 1971 (in)admissibility results under scale mixtures of Gaussian priors2023

    • 著者名/発表者名
      Maruyama Yuzo、Strawderman William E.
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Planning and Inference

      巻: 222 ページ: 78 -- 93

    • DOI

      10.1016/j.jspi.2022.06.005

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] On admissible estimation of a mean vector when the scale is unknown2023

    • 著者名/発表者名
      Maruyama Yuzo、Strawderman William E.
    • 雑誌名

      Bernoulli

      巻: 29 ページ: 153 -- 180

    • DOI

      10.3150/21-bej1453

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Ensemble minimaxity of James‐Stein estimators2022

    • 著者名/発表者名
      Maruyama Yuzo、Brown Lawrence D.、George Edward I.
    • 雑誌名

      Stat

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1002/sta4.532

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 多変量正規分布の平均ベクトルの推定問題における分散未知の場合のミニマクスで許容的な推定量2022

    • 著者名/発表者名
      丸山 祐造
    • 学会等名
      2022年度統計関連学会連合大会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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