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2022 年度 実施状況報告書

関数データに基づく経時測定データ解析法の発展

研究課題

研究課題/領域番号 19K11858
研究機関滋賀大学

研究代表者

松井 秀俊  滋賀大学, データサイエンス学系, 准教授 (90633305)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード統計的モデリング / 関数データ解析 / スパース推定 / 空間データ分析 / 半教師あり学習
研究実績の概要

1つの観測個体が時間等の経過に伴い繰り返して計測されたデータに対するモデリングについての研究を進めた。本年度は、関数データに基づく回帰モデルだけでなく、関数データの分類や、空間上で観測されたデータに対する分析方法についても検討した。
施設園芸栽培により生育されたトマトの収穫量と環境要因との関係を関数回帰モデルを用いて表現し、観測データに基づいてその関係性を明らかにする方法について検討した。データを分析することで、どの季節において、何日前の環境要因がその日の収穫量と関連しているかについて考察した。得られた結果について、論文として投稿した。
説明変数が関数データとして与えられた関数回帰モデルの推定において、説明変数のどの時点で目的変数と関連するかを明らかにする方法はドメイン選択とよばれる。本研究では、説明変数が複数与えられた関数線形モデルに対してスパース推定を用いてドメイン選択を行う方法を導出した。また、多変量関数データの分類に部分空間法を適用した方法についても検討を行った。加えて、近年機械学習の分野で確認されている二重降下現象が関数回帰モデルにおいても確認できるかを検証しており、その性質について検討中である。さらに、空間上で得られた関数データから、未観測地点の関数を予測する関数クリギングとよばれる方法において、パラメータをスパース推定する方法を検討している。以上の内容を論文として執筆しており、一部は論文誌へ投稿中である。
関数データ解析以外の研究として、半教師あり学習において、2群のデータのうち一方の群が偏って観測された際に、より精度よく分類を行うための方法を提案した。当該研究を論文化したものは、論文誌に採択された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、これまでに行ってきた研究を論文としてまとめ、うちいくつかは投稿することができた。加えて、新たな研究として二重降下現象の検証や空間データ分析についての検討などを進めることができ、論文として執筆を進めているところである。また、半教師あり学習に関する研究は論文として採択された。一部研究はまだ論文として投稿できていないものもあるが、研究については順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

現在進めている関数線形モデルに対するドメイン選択や二重降下現象の検証、空間関数データ分析に対するスパース推定による分析を進め、論文としてまとめた上で投稿する。また、現在投稿中の論文についても修正などを行い、採択をめざす。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により中止またはオンラインになった学会や出張の費用を、新たな研究の推進や論文化のための費用に充てるため。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Classification From Positive and Biased Negative Data With Skewed Labeled Posterior Probability2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Shotaro、Matsui Hidetoshi
    • 雑誌名

      Neural Computation

      巻: - ページ: 1~18

    • DOI

      10.1162/neco_a_01580

    • 査読あり
  • [学会発表] Truncated estimation for functional linear model and its application to agricultural data2022

    • 著者名/発表者名
      Matsui, H.
    • 学会等名
      5th International Conference on Econometrics and Statistics
    • 国際学会
  • [学会発表] Causal discovery for linear mixed data2022

    • 著者名/発表者名
      Zeng, Y., Shimizu, S., Matsui, H. and Sun, F.
    • 学会等名
      1st Conference on Causal Learning and Reasoning
    • 国際学会
  • [学会発表] 非線形混合効果モデルに基づく関数データを用いた急性期循環器疾患における急性期離脱時期の予測2022

    • 著者名/発表者名
      中島誉也,佐藤俊太郎,松井秀俊,水野篤
    • 学会等名
      日本臨床疫学会第5回年次学術大会
  • [学会発表] 空間関数データに対するスパース推定2022

    • 著者名/発表者名
      松井秀俊
    • 学会等名
      2022年度統計関連学会連合大会
  • [学会発表] MRI検査内容における分散表現取得方法の見当2022

    • 著者名/発表者名
      福井悠介,平塚真之輔,井口修巳,吉村雅寛,永谷幸裕,西原明日香,松井秀俊
    • 学会等名
      第4回日本メディカルAI学会学術集会
  • [学会発表] 関数データ解析を用いた長距離走に伴う疲労発生の識別検知2022

    • 著者名/発表者名
      土井博文,伊藤ゆり,松井秀俊,佐浦隆一
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第36回大会
  • [図書] 多変量解析2023

    • 著者名/発表者名
      松井 秀俊
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      学術図書出版社
    • ISBN
      978-4-7806-0707-9
  • [図書] データサイエンスと機械学習2022

    • 著者名/発表者名
      D.P.Kroese、金森 敬文
    • 総ページ数
      416
    • 出版者
      東京化学同人
    • ISBN
      978-4-8079-2029-7
  • [図書] Excelで学べるデータサイエンス入門講義2022

    • 著者名/発表者名
      笛田 薫、松井 秀俊
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      日経BP
    • ISBN
      978-4296200146
  • [備考] Hidetoshi Matsui

    • URL

      https://sites.google.com/site/hidetoshimatsui/home

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公開日: 2023-12-25  

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