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2021 年度 実施状況報告書

深層学習と経験的手法の協調によるメモリアクセス最適化プログラムの自動合成

研究課題

研究課題/領域番号 19K11874
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

佐藤 幸紀  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30452113)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードメモリアクセス最適化 / 性能モデル / ハード・ソフト協調設計 / 深層学習と経験的手法 / プログラム自動合成
研究実績の概要

2021年度は、前年度に開発したメモリ階層を考慮した性能モデルについて評価するプロトタイプを高度化することに重点的に取り組んだ。近年の多様なデバイスから構成されるメモリ階層の特性を反映するため、不揮発性メモリをメモリ階層に組み入れた場合を想定し、キャッシュシミュレータと連動して動作するメインメモリシミュレータを構築することにより、性能モデルを高度化することを試みた。特に、DRAMよりも高速かつ低エネルギの書き込みが可能なVC-MRAM (Voltage-Controlled Magnetoresistive RAM : 電圧駆動磁気抵抗メモリ)をメインメモリにするシナリオでの性能モデルの構築に向けて、ECCやRowバッファに関する詳細なモデリングを行い、システムレベルのシミュレーションを実施した。今後は、性能モデルとして取りまとめていく計画である。

加えて、メモリトレースを用いた詳細なキャッシュシミュレータの実現においては、x86環境向けのバイナリ計装ツールであるPinに加えて、ARMを含むマルチプラットフォームで動作するバイナリ計装ツールであるDynamoRIOを用いた実装を用意し、評価を進めた。具体的には、スーパーコンピュータ富岳に搭載されるCPUであるA64FX向けの実行バイナリコードを入力とし、同CPUのキャッシュパラメータを用いてメモリ階層のシミュレーションを行い、キャッシュ性能を評価することを実施した。今後は、A64FXに搭載されるベクトル命令拡張であるSVEに対応したシミュレータとして発展させる計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、コロナウイルス感染症への対策としてオンラインでの学会参加による研究資料収集が主となったことにより当初計上していた旅費の執行ができなかったが、遠隔からの実験を円滑に行うためのワークステーションの導入と環境構築を行い、概ね順調に研究を行うことができた。本研究の成果の一部は、国際会議CANDARのワークショップCSAおよびWANCにて発表し、それぞれCSA Best Paper Award、WANC Best Paper Awardを受賞した。

今後の研究の推進方策

今後は、高度化したシミュレータを活用した評価を進め、メモリ階層を含むシステムレベルの性能に関する知見を性能モデルとして取りまとめていくと同時に、スーパーコンピュータ富岳等での性能チューニングに活用することを検討する。最終的には、開発した性能モデルをPolyhedral最適化ツールチェインに結合し、プログラム自動合成法として確立していくことを目指す計画である。

次年度使用額が生じた理由

研究資料収集や成果発表のために計上していた旅費の執行がCOVID-19の状況によりできなかったため。2022年度は、ハイブリッドやオンサイトでの開催が見込めるため、旅費に充当する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] A simulation of a memory subsystem using a highly energy-efficient but erroneous MRAM2021

    • 著者名/発表者名
      Saito Daiki、Hirofuchi Takahiro、Arai Hiroko、Sato Yukinori
    • 雑誌名

      In Proceedings of 9th International Workshop on Computer Systems and Architectures (CSA 2021)

      巻: - ページ: 120-126

    • DOI

      10.1109/CANDARW53999.2021.00027

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thread-Aware Cache Simulator for HPC Application Tuning2021

    • 著者名/発表者名
      Chugo Kazuki、Sato Yukinori
    • 雑誌名

      In Proceedings of 12th International Workshop on Advances in Networking and Computing (WANC 2021)

      巻: - ページ: 424-428

    • DOI

      10.1109/CANDARW53999.2021.00078

    • 査読あり
  • [学会発表] A simulation of a memory subsystem using a highly energy-efficient but erroneous MRAM2021

    • 著者名/発表者名
      Daiki Saito, Takahiro Hirofuchi, Hiroko Arai, Yukinori Sato
    • 学会等名
      9th International Workshop on Computer Systems and Architectures (CSA 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] Thread-Aware Cache Simulator for HPC Application Tuning2021

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Chugo, Yukinori Sato
    • 学会等名
      12th International Workshop on Advances in Networking and Computing (WANC 2021)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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