| 研究課題/領域番号 |
19K11880
|
|---|
| 研究機関 | 広島市立大学 |
|---|
研究代表者 |
岩垣 剛 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (00397845)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 非同期式回路 / 確率的演算 / ストカスティックコンピューティング |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究は，非同期式回路設計の枠組みに確率的演算（SC: Stochastic Computing）を取り入れることで，非同期式回路の欠点である面積増加等を低減しつつ，一時故障への耐性を高め，低電力で高信頼な回路の合成方法を探究するものである．
令和2年度は，非同期式回路の動作検証や特性（面積，遅延，電力等）評価のための環境構築を中心に研究を進めた．具体的には，SCにおける基本演算(乗算，重み付き加算等)を実現する非同期式回路（束データ方式やDIMS（Delay Insensitive Minterm Synthesis）方式）の動作検証や特性評価をおこなうために，オープンソースのEDA（Electronic Design Automation）ツールの一つであるACT(Asynchronous Circuit Toolkit）の利用を検討した．また，非同期式回路の実装先として，ASIC（Application Specific Integrated Circuit）だけでなくFPGA（Field Programmable Gate Array）も考え，既存のXilinxやIntelの統合開発環境（VivadoやQuartus）を用いた設計フローについても議論した．
上記の環境構築に加え，DIMSに基づく非同期式回路の面積等の削減可能性についても検討した．非同期式回路にはC素子とよばれる特有の記憶素子が多数存在するが，SCがもつ演算誤差への許容性に着目することで，一部のC素子を削減する方法を議論した．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
SCに基づく非同期式回路の設計・評価をおこなうための環境構築は進んだものの，他業務との兼ね合いで，本研究課題に対して十分なエフォートを確保できず，当初の研究計画からの遅れが否めないため．
|
| 今後の研究の推進方策 |
補助事業期間延長を視野に入れ，本研究の当初の目的を達成する上で優先度の高い課題を精査し，着実にその解決にあたる．
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
国内研究会や国際会議等がオンライン開催となったため，その参加に伴う旅費等が不要となり，予算に残額が生じた．国内研究会や国際会議等は，当面オンラインでの開催が予想されるため，残額は高性能なワークステーション等の購入にあて，計算機実験等を効率的に進める予定である．
|
