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2021 年度 実施状況報告書

ストカスティックコンピューティング回路のための高位合成手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K11882
研究機関広島市立大学

研究代表者

市原 英行  広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50326427)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードStochastic Computing / Approximate Computing / 計算機システム / Dependable Computing / LSI CAD
研究実績の概要

本研究は,ストカスティックコンピューティングを実現した論理回路(SC回路)のための高位合成手法を提案し,SC回路の計算機支援設計環境を構築することを目的としており,4つのサブテーマ(P1~P4)からなる.本年度は主に,「最適パラメータ探索アルゴリズムの提案(P2)」と「高速回路シミュレーション手法の提案(P3)」に対して研究を行った.
サブテーマ(P2)に対して,線形FSMを用いたSC回路(LFSM-SC)のパラメータ探索に関する研究を行った.一つの成果として,等価状態を利用した高信頼LFSM-SC設計手法を新たに提案した.これは設計時に生じる無効状態(一般には到達不能状態)を有効状態と等価になるように設計する手法であり,ハードウェアコストの増加なしに回路の信頼度を高めることができる.この成果は国際会議DFTで2021年10月に発表を行った.この設計手法については,状態数が故障時の演算精度に与える影響についても引き続き実験的な解析を行っており,最適な状態数に関する知見を得ている.この知見を組み込んだ状態数最適化アルゴリズムも提案予定である.
また,サブテーマ(P2)に関するもう一つの成果として,LFSM-SCのパラーメータの1つである並列度にも着目し,これが演算精度,回路面積および消費電力に与える影響について解析を行い,いくつかの知見を得ている.この知見に基づいて,演算精度を維持しつつ面積を削減する手法の提案を検討している.
(P3)については,OpenMPIを用いた計算機クラスタによるシミュレーション環境を構築した.これにより,研究室が現有している計算機リソースを十分に使ったSC回路のシミュレーションができることが期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度見直した推進方策では,1年間の延長を前提に,「最適パラメータ探索アルゴリズムの提案(P2)」と「高速回路シミュレーション手法の提案(P3)」の成果を得ることであった.その観点からは,ある程度今年度の目標は達成できたと考えている.しかしながら,コロナ禍や学生数の不足により,十分に学会発表や論文誌投稿ができなかったことから,このように判断した.

今後の研究の推進方策

これまでの成果を統合し,「既存の設計環境・資産とのインターフェスの提案(P4)」を行うことで,SC回路の計算機支援設計環境の構築を目指す.

次年度使用額が生じた理由

以下の2つの理由による.
1)コロナ禍で国内・国際会議にかかる旅費が必要なかったため.
2)コロナ禍と学生数減により,学生による実験補助に必要な謝金の支出がなくなったため.
使用計画としては,旅費及び実験用機器の購入と学生謝金(実験補助)のために用いる予定である

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A Design of Reliable Linear FSMs with Equivalent States in Stochastic Computing2021

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Ichihara, Takayuki FUKUDA, Tomoo Inoue
    • 学会等名
      2021 IEEE International Symposium on Defect and Fault Tolerance in VLSI and Nanotechnology Systems (DFT)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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