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2020 年度 実施状況報告書

オーバレイクラウドによる計算実験環境再現性

研究課題

研究課題/領域番号 19K11895
研究機関群馬大学

研究代表者

横山 重俊  群馬大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10600968)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード研究再現性 / データ駆動型研究 / ゲノム解析 / 実験数学 / クラウドコンピューティング / Jupyter Notebook
研究実績の概要

本研究では、データ駆動型研究実験環境の流通を促進するデータビリティプラットフォームの普及を目指す。具体的には、ICT基盤上に構築された実験環境の再現性をコンテナ技術によるオーバーレイクラウド方式の仮想クラウド技術と実行可能な構築手順書構成技術(Literate Computing for Infrastructure)を組み合わせたデータビリティプラットフォームを導入することで、データ駆動型研究実験環境の流通性を飛躍的に高めることを目指す。さらに複数の実験環境を連携させる仕組みを導入することで、複数分野に跨るデータ駆動型研究の推進やデータ駆動型研究人材の育成に貢献する。2019年度には本研究の基本構成要素であるControl DataとControlled EnvironmentからなるMicro-abilityのプロトタイプを実現する。Control DataとしてはLiterate Computing for Infrastructureの研究成果であるJupyter Notebookによる実行可能構築手順書を用いる。これはインフラ構築のための実行スクリプトと構築手順同時に記述するだけではなく、実行結果の保存も可能としている。Controlled Environmentとしては各種クラウド上に跨った仮想クラウドを動的に構築できるコンテナ技術を利用したOverlay Cloudアーキテクチャおよび仮想クラウド生成を担うすでに開発済みのミドルウェア Virtual Cloud Providerを用いる。
2020年度および2021年度前半までには以下の二つの適用分野でのこのMicro-abilityを用いた実証実験を実施する。
【ゲノム解析分野】実験環境の流通実証をゲノム解析ツール Galaxyの利用者コミュニティメンバの協力を得て実施する。
【数学分野】実験環境の流通実証を数式処理ツールの利用者コミュニティメンバの協力を得て実施する。
2021年度後半には上記二つの環境の連携について両コミュニティのメンバの協力を得て取り組み、分野を跨った実験環境の流通にデータビリティプラットフォームが活用できることを実証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は以下の4タスクから構成されている。
(1)本研究の基本構成要素であるControl DataとControlled EnvironmentからなるMicro-abilityを実現する (2)ゲノム解析分野への適用 (3)数学分野への適用 (4)分野を跨った実験環境の流通にデータビリティプラットフォームが活用できることの実証。 タスク(2)とタスク(3)ではタスク(1)の成果を活用し、さらにその適用によりMicro-abilityへのフィードバックを行いその改善につなげる。タスク(4)はタスク(1)からタスク(3)の成果をさらに適用領域の普及につなげる活動である。2019年度には、タスク(1)に着手し、プロトタイプを実現することで度教育実践研究の場での試用を行った。2020年度以降のゲノム解析分野と数学分野への適用の妥当性についての見通しが得られた。得られた成果としてMicro-abilityの構築ノウハウと適用実践については情報処理学会、数学教育学会などで発表を行なった。また、この活動を通じて得られた知見を、この研究の要素技術であるLiterate Computing for InfrastructureとVCPの開発グループへフィードバックすることも出来た。
2020年度には、ゲノム解析分野への適用と数学分野への適用に着手した。このため2020年度は以下の活動を進めた。
(1)各分野内で実際実証実験を行うに最適な適用領域について調査 (2)その適用領域内でのMicro-ability試用実験 (3)適用分野のコミュニティへのMicro-ability利用に向けたアピー (4)適用分野で実証実験開始 (5)得られた成果の論文発表

今後の研究の推進方策

2021年度には、ゲノム解析分野への適用と数学分野への適用をさらに進め、上記二つの環境の連携について両コミュニティのメンバの協力を得て取り組み、分野を跨った実験環境の流通にデータビリティプラットフォームが活用できることを実証する。
(1)その適用領域内でのMicro-ability試用実験継続
(2)適用分野のコミュニティへのMicro-ability利用に向けたアピールを継続
(3)適用分野で実証実験を継続
(4)得られた成果の論文発表

次年度使用額が生じた理由

出張ができず、さらに残額で購入できる物品等がなかったため

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Jupyter Notebookを活用した実験数学環境の高度化2021

    • 著者名/発表者名
      横山 重俊,浜元信州,政谷好伸
    • 雑誌名

      2021年度 数学教育学会 春季例会予稿集

      巻: 2021 ページ: 1,3

  • [雑誌論文] 派生研究を支援する再構成容易な実験数学環境2020

    • 著者名/発表者名
      横山重俊,浜元信州,長久勝,藤原 一毅, 政谷好伸,竹房 あつ子,合田憲人
    • 雑誌名

      情報処理学会 IOT研究会

      巻: 50 ページ: 1,8

  • [雑誌論文] オープンサイエンス推進のためのデータ分析プロセス共有2020

    • 著者名/発表者名
      横山重俊,浜元信州,長久勝,藤原 一毅, 政谷好伸,竹房 あつ子,合田憲人
    • 雑誌名

      情報処理学会 RDM研究会

      巻: 2 ページ: 1,6

  • [雑誌論文] データ分析プロセス共有による研究再現例2020

    • 著者名/発表者名
      横山重俊,浜元信州,長久勝,藤原 一毅, 政谷好伸,竹房 あつ子,合田憲人
    • 雑誌名

      情報処理学会 RDM研究会

      巻: 3 ページ: 1,7

  • [雑誌論文] 実験数学をJupyter Notebookでもっとやってみる2020

    • 著者名/発表者名
      横山重俊,浜元信州,長久勝,谷沢智史, 藤原 一毅, 政谷好伸,竹房 あつ子,合田憲人
    • 雑誌名

      RIMS共同研究「数学ソフトウェアとその効果的教育利用に関する研究」

      巻: 2020 ページ: 1,10

  • [学会発表] オンライン情報教育における講義・演習環境の構成例2020

    • 著者名/発表者名
      横山重俊,浜元信州,長久勝,中川 晋吾, 政谷好伸,竹房 あつ子,合田憲人
    • 学会等名
      大学ICT推進協議会

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公開日: 2021-12-27  

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