同じ処理を異なる入力に対して何度も行うとき、前回の実行結果を活用することで次の実行が高速化できると望ましい。このような手法を「漸増計算」と呼ぶ。本研究課題では、パラメトリック多相型と呼ばれる関数型言語で広く使われている型に基づき、漸増計算を行うプログラムを系統的に導出する手法を提案した。その過程で、既存のパラメトリック多相型の証明手法の使いにくさを発見し、それを改善する手法も併せて与えた。さらに、漸増計算の具体的な応用例についてもケーススタディを行い、多次元配列を何度も走査するようなプログラムに対する漸増計算手法を与えた。
|