研究課題/領域番号 |
19K11905
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
中谷 多哉子 放送大学, 教養学部, 教授 (30431662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 要求工学 / 要求抽出 / UX: User eXperience / webシステム / オントロジー |
研究実績の概要 |
本研究の目的:本研究では,Webシステムが提供するサービスを円滑に提供するための要求を抽出することを目指す. 研究実施計画:2022年度は,オブジェクトレベルの概念をモデルに取り込み,訪問者の経路を抽出することを計画していた.しかし,これまでの成果を起こせず,論文誌での論文の採録を最優先に位置づけて取り組んだ.本研究では,ソフトウェアシステムのドメイン構造を表す概念モデルから,システムのwebサイトへの訪問者が情報のリンクを辿る経路を要求として抽出する手法と,手法を実践するためのツールを開発している.2022年度は,概念モデルからのアプローチではなく、オントロジーに基づいて経路を探索する手法を提案することに研究の方針を転換した.提案する手法の評価は,既存の要求抽出手法と比較し,定量的,定性的な評価を行った.論文は採録された. これまでの研究で提案していた手法の基礎データである概念モデルは,様々な定義があり,研究領域によって誤解を生む原因となっていた.そこで,本研究で取り扱う「概念モデル」が,webサイトを構成する要素の意味ネットワーク構造を持っており,webサイトの訪問者の経路を,この意味ネットワーク上の構造を推論しながら抽出する手法を提案しているものである.そこで、AI関連学会の論文誌に投稿し,論文が採録された.オントロジーとは,用語の意味構造と推論機構を備えているネットワークである.また,経路を生成するためのアルゴリズムを推論アルゴリズムとして,研究の成果を再構成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
投稿論文の採録が得られず,論文の校正に時間を要した.英語論文を日本の学会誌に投稿していたが,2022年度は,国内誌への投稿を断念し,IOS pressによる論文誌に投稿した.その結果,採録されることとなった.英語論文の場合は,参照されることを考えると,国内誌よりは,海外の論文誌の方が遙かに優位である. システム開発論文については,日本語で論文を執筆する予定である.ツールの日本語化については既に対応済みである.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果が現在抱えている課題は,クラスレベルの推論だけでは,個別のオブジェクトに接続されているリンクを活用した推論が困難である.これは,「ある人」の「個人情報をアクセスできる」のは,本人のみであるといった要求を定義できないことに相当する. 2023年度は,オブジェクトレベルのモデルをオントロジーに取り込み,推論アルゴリズムを構築する.また,本研究で開発しているTraverserツールをシステム論文として投稿する. クラスレベルの経路抽出と,オブジェクトレベルの経路抽出によって,ほぼ,本研究の目的を達成できたことになる.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で出張が大幅に減った.コロナ禍が収まってきたため,今年度は,海外での論文発表を行うための参加費,および旅費に80万円を計画している.残りの23万円は,論文別刷り代を予定している.
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備考 |
Traverserのツールをダウンロードして使用するためのサイトである.マニュアルも公開している.ただし,日本語対応版は,まだ公開していない.
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