• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

セキュリティとリアルタイム性要求を保証した車載制御ネットワークの最適化設計

研究課題

研究課題/領域番号 19K11920
研究機関名古屋大学

研究代表者

曾 剛  名古屋大学, 工学研究科, 講師 (90456632)

研究分担者 倉地 亮  名古屋大学, 情報学研究科, 特任准教授 (10568059)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードin-vehicle network / controller area network / security measure / real-time system
研究実績の概要

本研究は、複雑な制御系車載ネットワーク(IVN)を対象に、セキュリティ要求とリアルタイム性を考慮したIVNの時間解析手法とIVNの最適化設計手法の開発を目標としており、(1)IVNのセキュリティ要求分析とその強化技術の開発、(2)セキュリティを考慮したIVNの最適化設計手法、(3)セキュリティ強化策によるIVNのリアルタイム性への影響と対策、の3つのテーマから構成される。

テーマ(1)については、まず、CANに対応したデジタルウォーターマークとハフマン符号化に基づく新しい車載メッセージ認証方法を提案した。メッセージ認証の遅延を最小化し、ストレージリソースを節約するだけでなく、計算リソースの節約のために、複数のメッセージを一度に認証することもできる。実装での評価で高い検出精度、低遅延、およびCANとの互換性を検証した。次に、SOME/IP-SDメッセージを対象にグレーボックスファジングを実施し、カバレッジの評価とクラッシュの検出結果により、ソースコードの安全性を向上した。
テーマ(2)については、STRIDEのガイドワードに対し、CAPECの攻撃手法の情報を紐づけることで、より具体的な脅威シナリオを特定する手法を提案した。特定件数の増加やシナリオの具体性向上といった結果から、提案手法の有用性を示した。
テーマ(3)については、HSMを搭載したECUのメッセージ送受信プロセスをモデル化し、メッセージのセキュリテイ対策がある・なしに分けて、送受信の最悪レスポンス時間を解析し、HSMによるIVNのリアルタイム性への影響が明らかにした。次に、セキュリティ対策とリアルタイム性のトレードオフを実現するため、SOME/IP-SDの拡張プロトコルを提案した。通信オーバーヘッドを低減するだけではなく、セキュリティ保護レベルを導入することにより、様々な保護手段を動的に変更できる能力を示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A Digital Watermark Method for In-Vehicle Network Security Enhancement2023

    • 著者名/発表者名
      Wufei Wu, Junhao Dai, Huijuan Huang, Qinmin Zhao, Gang Zeng and Renfa Li
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Vehicular Technology

      巻: 2 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1109/TVT.2023.3247180

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Timing Analysis of CAN FD for Security-Aware Automotive Cyber-Physical Systems2022

    • 著者名/発表者名
      Yong Xie, Gang Zeng, Ryo Kurachi, Fu Xiao, Hiroaki Takada and Shiyan Hu
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Dependable and Secure Computing

      巻: 7 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1109/TDSC.2022.3194712

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] SOME/IPプロトコルスタックに対するグレーボックスファジングの評価2023

    • 著者名/発表者名
      金森健人、棚原斎稀、渡邉弘樹、平野雅巳、新垣奈美子、鉢嶺光、倉地亮
    • 学会等名
      暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2023)
  • [学会発表] 自動車向けCAPECの検討と脅威シナリオ特定への活用2023

    • 著者名/発表者名
      小野華、倉地亮、土居元紀、岩原主、前田和輝、渡邊謙一郎
    • 学会等名
      暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2023)
  • [学会発表] SOME/IP-SDのセキュリティ拡張プロトコルの提案2023

    • 著者名/発表者名
      倉地亮、高田広章、足立直樹、上田浩史
    • 学会等名
      暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2023)

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi