研究課題/領域番号 |
19K11921
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森 香津夫 三重大学, 工学研究科, 教授 (90324540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 無線チャネルアクセス制御 / グループ化チャネルアクセス / トラヒック偏在 / IoTネットワーク / M2Mネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究課題では,IoT/M2M無線ネットワークにおいて発生する膨大な接続端末数に起因した無線チャネルのアクセス競合(複数端末の同時信号送信)を研究の対象とする.この課題の対応策である制限アクセスウインド(RAW)によるグループ基準チャネルアクセス制御(GMAC)では,適切な端末グループ化が重要課題となっている.本研究では, IoT端末が生成する通信トラヒックの時間的あるいは地理的な偏在に着眼し,トラヒック偏在環境においても高性能なネットワーク性能を提供できる無線チャネルアクセス技術を確立することを目的とする. 2020年度は,通信トラヒックの偏在環境下での端末グループ化手法についての研究を進めた.具体的には,トラヒック偏在環境に適した端末グループ化方式に関して,前年度の研究で得られた知見を踏まえ,時間的トラヒック偏在の1形態と考えられる端末での生起トラヒックが端末間で異なる多元トラヒック環境に適した端末グループ化方式の研究を進めた.空間的(地理的)トラヒック偏在と多元トラヒックを考慮した端末グループ化方式の考案とその性能評価を実施した.方式考案は机上での理論検討により実施し,また,システム性能定量的評価は計算機シミュレーションにより実施した. その結果,本研究で新たに考案した端末グループ化手法は,従来手法に比較して,システム性能を向上させることが可能であることを明らかにした. 本研究成果は,国内学会にて公表されており,また,国際学会で公表および公表予定(掲載決定)である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は,当初計画として,研究目的(内容)に,通信トラヒック偏在適応グループ化チャネルアクセス制御法の確立を設定していた.実績として,前年度に検討を実施した空間的(地理的)トラヒック偏在に加え,時間的トラヒック偏在にも着眼し,これらのトラヒック偏在環境に適した端末グループ化方式の具体的な制御手法の検討を進めることができた. したがって,上記の状況から,進捗状況はおおむね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,2020年度の研究事項をさらに高度化するとともに,当初計画で2021年度実施として取り上げたマルチアクセスポイント(セルラ)環境対応のグループ化チャネルアクセス制御手法の研究を進める. 研究方法は,当該年度においても2019,2020年度と同様に,机上理論検討による各種制御方式の考案と,計算機シミュレーションによる特性評価が主体となる.シミュレーション規模の増大が予想されるため,シミュレーション環境を増強する予定である. 研究成果発表については,国内学会の大会や研究会,国際学会,さらには論文誌での公表を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 新型コロナ感染症拡大に伴い,研究成果発表のための旅費の支出が皆無となった(計画:40万->実際:支出なし). (使用計画) 2021年度の物品購入費用又は研究成果発表のための旅費に利用する計画である.
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