研究課題/領域番号 |
19K11925
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
塚田 晃司 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (80372671)
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研究分担者 |
中島 敦司 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90283960)
湯崎 真梨子 和歌山大学, 食農総合研究所, 客員教授 (50516854)
中村 誠宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (80545624)
揚妻 直樹 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60285690)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 森林エリアネットワーク / 条件不利地域 / 中山間地域 / 情報通信基盤 / センサネットワーク |
研究実績の概要 |
無線センサネットワークやIoT(Internet of Things)などの情報通信インフラや応用サービスに関する研究が活発に行われているが,都市部,郊外など通信・電力インフラが整った地域を対象としている場合が多く,森林地域のような条件不利地域での運用はあまり想定されていない.森林地域の環境は,都市部,郊外と比べて非常に厳しく,また多様である.地形,植生,気象などの電波伝搬障害となる要因が多数存在し,通信機器を稼働させる電力確保も困難な状況であり,恒常的な情報通信インフラ運用には解決すべき課題が多くある.本研究では,森林エリアネットワーク実用化をはばむ,通信インフラ,電力インフラ,ネットワーク運用における課題解決に重点を置いて検討し,実証フィールド(和歌山県,北海道の2カ所)で運用試験により評価することを目的としている. 2019年度は,以下のことを実施した. (1)北海道大学和歌山研究林において森林エリアの通信特性の測定実験を実施し,その結果を用いたセンサネットワーク障害検知プロトコルの検討と,シミュレーション評価を行った. (2)北海道大学和歌山研究林のある古座川町平井で地域住民とともに用水路に設置可能な小水力発電の機動性,発電性能の検証を行った. (3)北海道大学苫小牧研究林で和歌山と地形,植生,気象の条件が異なる実証フィールドとして実験適地候補調査を行い,フィールド内の通信特性の測定実験用のタワーを設置した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)森林エリアネットワークのような条件不利地域でのセンサネットワーク障害検知を可能とするプロトコルを設計し,シミュレーション評価で有効性を評価できた.この成果は,学会(情報処理学会第82回全国大会,新型コロナ感染症対策のためオンライン開催に変更)で発表した. (2)当初計画通り,北海道大学和歌山研究林で,地域住民と協力して,農業用水路に設置可能な小水力発電機の現物を用いた講習会を開催し,有効性について検証を行った.講習会の効果で,地域住民からも自立的な電源確保に対しての理解が得られた. (3)北海道大学苫小牧研究林で実証フィールド設置の適地候補調査を行った.当初計画では,2019年度に適地決定し,2020年度に実験用設備の設置を予定していたが,計画よりも早く,積雪で屋外作業ができなくなる前,2019年11月に実験用タワーが完成した.
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今後の研究の推進方策 |
(1)北海道大学和歌山研究林でセンサネットワーク障害検知と保守支援システムを試作し,可搬型発電設備を活用して,動作検証を行う. (2)北海道大学苫小牧研究林に完成した実験用タワーに太陽光発電設備と無線通信装置を設置する. ただし,今後の新型コロナウィルス感染症の動向によっては,現地に出張しての各種作業が継続して困難な状態となり,実証フィールドでの実験計画が大幅に遅れることが予想される.そのため,2019年度の測定結果をもとにシミュレーション評価で実施可能な事項について重点的に取り組んでいく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症対策のために,研究成果報告を予定していた学会の現地開催が中止となりオンライン開催に変更になった.そのため,2020年3月に予定していた出張がすべて取り止めとなったのに伴い,出張旅費に余剰が発生した. 余剰分に関しては,2020年度の出張旅費としての使用を計画している.しかし,新型コロナウィルス感染症の今後の動向によっては引き続き出張が困難な状況が継続する可能性もあり,大幅な使用計画の変更も検討する.
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