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2021 年度 実施状況報告書

ソーシャルネットワークに対する低負荷でかつ高速な人物探索法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K11927
研究機関関西学院大学

研究代表者

作元 雄輔  関西学院大学, 工学部, 准教授 (30598785)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードソーシャルネットワーク / ソーシャルメディア / ネットワーク探索 / スペクトラルグラフ理論 / ランダム行列理論 / ネットワーク科学
研究実績の概要

近年,インターネットやソーシャルメディア,スマートフォンの急速な普及により,個人によって情報を発信するコストが劇的に低くなっている.その中で,ソーシャルメディアを通じて,人と人とを効率的に結びつける技術(人物探索アルゴリズム)が求められている.本研究課題では,そのような背景を踏まえて,ソーシャルネットワーク上で特定の人物を効率的に探索するための方法の構築を目指している.令和 3 年度の取り組みでは,令和 2 年度までに開発した人物探索アルゴリズムに対する改良と,実際のソーシャルネットワークトポロジを用いた性能評価実験を実施した.まず,人物探索アルゴリズムの改良では,スペクトラルグラフ理論に基づいて人物探索に用いるモバイルエージェントの最適な振る舞いを解明し,その振る舞いを実装するアルゴリズムを考案した.また,実際のソーシャルネットワークトポロジを用いたアルゴリズムの性能評価実験では,Facebook や Twitter といった数多くのユーザに利用されているソーシャルネットワークのトポロジデータを取得し,そのトポロジデータ上で,開発中の人物探索アルゴリズムを実行した場合の有効性を明らかにした.これらのアルゴリズムの改良や実ネットワークトポロジを用いた評価に対する研究成果は,電子情報通信学会の国内研究会(コミュニケーションクオリティ研究会やインターネットアーキテクチャ研究会)で発表するとともに, 国際会議(INCoS 2021) や電子情報通信学会の英文論文誌 B で発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和 3 年度までの取り組みによって,人物探索アルゴリズムの基本設計や,実ネットワークトポロジでの有効性評価が完了しており,開発しているアルゴリズムが実社会においても有効に動作することが期待できる.

今後の研究の推進方策

令和 4 年度では,まず,開発する人物探索アルゴリズムの実ネットワークにおける有効性を詳細に評価するために,Facebook や Twitter 以外のソーシャルメディア(Reddit や Youtube, Instagram など) におけるソーシャルネットワークトポロジの取得と,そのネットワークトポロジでの有効性評価の実施を行うことを予定している.また,人物探索アルゴリズムをより効果的に用いるための改良を行うために,その設計の理論的な枠組みであるスペクトラルグラフ理論やランダム行列に対する知識を深めることを検討する.また,開発したアルゴリズムを実社会に普及していくための取り組みとして,新たなインターネットサービスの考案と,その開発シナリオを策定していくことを考えている.さらに,研究活動を通じて得られた成果を,電子情報通信学会の国内研究会や IEEE/ACM の国際会議,国際論文誌で発表していく予定である.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19 の影響により,国際会議や国内研究会の多くがオンラインでの開催となり,予定していた旅費の使用が無くなった.その分の研究費は,令和 4 年度に行う提案方式の評価実験の拡充に必要となった費用や旅費に充填する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Graph Degree Heterogeneity Facilitates Random Walker Meetings2021

    • 著者名/発表者名
      SAKUMOTO Yusuke、OHSAKI Hiroyuki
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Communications

      巻: E104.B ページ: 604~615

    • DOI

      10.1587/transcom.2020EBP3093

    • 査読あり
  • [学会発表] ラプラシアン行列の固有値を用いた特異な脳構造を持つ被験者の検出に向けた一検討2022

    • 著者名/発表者名
      大石 悠貴,谷口 豊明,瀬川 絵里子, 作元 雄輔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
  • [学会発表] ランダムウォークを用いたランデブー探索に対する適切なパラメータ設定の検討2022

    • 著者名/発表者名
      豊田 郁弥,作元 雄輔, 大崎 博之
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
  • [学会発表] 異なる遷移確率を持つ複数ランダムウォークの性質の解明に向けた実験的検討2022

    • 著者名/発表者名
      辻 七海,豊田 郁弥,作元 雄輔, 大崎 博之
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
  • [学会発表] For Designing Autonomous Decentralized Method of User-Aware Resource Assignment in Large-Scale and Wide-Area Networks2021

    • 著者名/発表者名
      Toshitaka Kashimoto and Yusuke Sakumoto
    • 学会等名
      International Conference on Intelligent Networking and Collaborative Systems (INCoS 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] The Effect of Agents' Diversities on the Running Time of the Random Walk-Based Rendezvous Search2021

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Toyoda and Yusuke Sakumoto
    • 学会等名
      International Conference on Intelligent Networking and Collaborative Systems (INCoS 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] ラプラシアン行列の固有値を用いたテンポラルネットワークの異常検出に対する改良方法の提案2021

    • 著者名/発表者名
      瀬川 絵里子,谷口 豊明, 作元 雄輔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
  • [学会発表] スペクトラルグラフ理論を用いた遷移確率と移動頻度が異なる多様な複数ランダムウォークの解析2021

    • 著者名/発表者名
      辻 七海,豊田 郁弥,作元 雄輔, 大崎 博之
    • 学会等名
      電子情報通信学会 インターネットアーキテクチャ研究会
  • [学会発表] エージェントの多様性がランダムウォークを活用したランデブー探索の実行時間に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      豊田 郁弥, 作元 雄輔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会

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公開日: 2022-12-28  

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