研究課題/領域番号 |
19K11936
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 和也 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (10732349)
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研究分担者 |
中村 遼 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (90804782)
空閑 洋平 東京大学, 情報基盤センター, 特任講師 (90816597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ネットワーク / 時刻同期 / PTP |
研究実績の概要 |
IP ネットワークを利用した製造や医療のような産業システムは、ミリ・マイクロ秒の解像度による 通信が多く発生する。一方で、Simple Network Management Protocol (SNMP) に代表される従来 のネットワーク計測手法は、分・秒単位でネットワークの状況把握が可能だが、短期間に集中して通 信が発生するアプリケーション利用時には適切なネットワーク状態の把握が困難である。本研究は、 マイクロ秒精度で同期可能な汎用ネットワークインタフェースカード (NIC) を 用いて、パケットへのタイムスタンプ精度を従来のミリ秒精度からマイクロ秒に向上させる汎用ソフトウェア機構の開発、及び高精度なタイムスタンプを活用 したネットワーク計測手法の確立を目的とする。 2019年度は、マイクロ秒以上の高精度な時刻同期とタイムスタンプが可能なNICを複数用いて、ネットワークケーブル長の測定精度、ルータを介した処理の遅延 について実験と評価を行った。2020年度は,商用ISPネットワーク,全国規模の実験ネットワークに計測サーバを複数設置し,高精度なタイムスタンプを利用したネットワーク品質の計測を実施した.各サーバから特定サーバへの遅延を計測し, PTP ハードウェアタイムスタンプを用いることでサブマイクロ秒精度でのゆらぎを計測を実施した.次年度は小中規模ネットワークでの計測を継続して実施,多面的な分析を行い,高精度なタイムスタンプの応用可能性について検討を進める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度はISPのアクセス回線,実験用ネットワークに計測サーバを設置し実ネットワークの計測を開始し,順調にデータ収集を実施できた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,小中規模ネットワークでの計測を継続して実施,多面的な分析を行い,高精度なタイムスタンプの応用可能性について検討を行う.また,研究を通して得られた各種分析手法を整理し学会等での発表を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に必要な実験機材を購入したが,当初想定していた機器が安価に入手できたことと,既存の研究機材を流用した検証が十分に可能であったため,支出額が少なくなっている. また,学会のオンライン開催により旅費の支出が少なくなっている.
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