研究では、時空間的に分散する都市センサ情報源に対するユーザの興味を、都市センサの状況とユーザ自身の状況を考慮したスコープとして定義し、動的に PubSubノードの選択と処理を実行可能な新たなPubSubモデルを提案する。また、本研究では頻繁に利用される効果的なスコープ定義をパターンとして提供し、 ユーザのスコープ定義の負荷を軽減させるとともに、サービス開発の指針として利用可能とさせる。 本年は、2年度の成果の論文発表や対外発表を行うとともに、センシング基盤の他都市での応用として日進市でのセンシング環境構築、また藤沢市における人流センシング環境を構築し、実証研究を行った。更に、これまでの成果のうち、名古屋市東山動植物園におけるデータ流通・分析結果をまとめた論文を論文誌に掲載し、広域屋外公共施設におけるWiFiセンシング活用モデルに関する発表を行った。また、都市データ分析手法に関して、都市の多様性を分析する という新たな評価軸を発展させ、新たな研究チームとしてプロジェクトを発足させた。一方、本研究で構築したモデルを拡張するため、エッジ・クラウド融合型のセンシングアーキテクチャの構想を開始し、長崎大学、名城大学とチーム型研究開発をはじめた。これらの成果により、都市におけるセンシングおよびアプリケーション開発基盤の研究開発に関する取り組みが評価され、情報処理学会およびIEEE Computer Societyが合同で授与するIPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Award 2021を受賞した。現在本研究の最終的な成果を論文としてまとめ、投稿準備を勧めている。
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