研究課題/領域番号 |
19K11948
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
村山 純一 東海大学, 情報通信学部, 教授 (10723702)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 通信ネットワーク / 標的型攻撃 / 経路ハイジャック / 仮想ネットワーク / ネットワーク切り替え |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、ネットワークに潜伏する検知困難なマルウェアを駆除することにある。ネットワークを仮想化し、これらの生成・消滅を繰り返しつつ、順次置換していくアプローチで取り組む。この際、通信を切断させず、通信サービスの提供を継続し続けることが主要な課題となる。2020年度の主要な実績は、次の2点である。 [実績1] ネットワーク切り替えを繰り返す際の問題を解決する方式を提案した。具体的には、昨年度に基本設計を行った仮想ルータの無瞬断切り替えの繰り返し方式について、方式詳細化の検討を行った。また、このルータ切り替え方式を、エッジルータに応用することで、主題のネットワーク切り替え方式に拡張する検討を行った。 前者の詳細設計については、国際会議ICETC2020(12月開催、査読有)において発表した。後者については、エッジルータ切り替え方式およびネットワーク切り替え方式の双方の基本設計を、電子情報通信学会の情報ネットワーク研究会(9月開催、査読無)において発表した。加えて、ネットワーク切り替え方式の詳細設計を国際会議ICETC2020(12月開催、査読有)において発表した。 [実績2] ネットワーク切り替え時の経路情報継承の問題を解決する方式を提案した。具体的には、昨年度に基本設計を行ったルートサーバによる経路継承方式について、方式詳細化の検討を行った。また、ルータ間での経路継承方式を、主題のネットワーク間での経路継承に応用する検討を行った。 これらの成果は、国際会議ICETC2020(12月開催、査読有)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終目的は、通信サービスを継続しつつ、ネットワークに潜伏する検知困難なマルウェアを駆除することにある。次の4つの課題を、4年間で解決することにより、最終目的を達成する計画である。[課題1] 故障切り替え技術を参考とした仮想ネットワークの割り当て形態の研究、[課題2] モバイル通信技術を参考とした異種の仮想ネットワーク割り当て手法の研究、[課題3] 仮想マシン技術を参考とした仮想ネットワークの生成・消滅順序の研究、[課題4] ルートサーバ技術を参考とした仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法の研究 2020年度は、[課題1]および[課題4]について、それぞれ目標の100%まで取り組んだ。各項目とも1年分の課題に相当するため、4年計画全体での進捗率は50%となる。2020年度末は、全体計画の中間点にあたることから、順調に進捗していると言える。なお、検討順序を見直した理由は、早期に最終目標の達成見通しを得るためである。各課題の具体的な進捗内容は次の通りである。 [課題1] 無瞬断でのネットワーク切り替えの問題を、昨年度は、ルータ切り替えの問題に置き換え、基本的な方式設計を行った。今年度は、詳細な方式設計を行うと共に、これを本来のネットワーク切り替えの問題に応用した。方式設計を完了させ、研究成果も国際会議(査読有)等で発表したことから、本課題の進捗率は100%と位置付ける。 [課題4] ネットワーク切り替え時の経路情報の継承問題を、昨年度は、ルータ切り替え時の経路情報の継承問題に置き換え、基本的な方式設計を行った。今年度は、詳細な方式設計を行うと共に、これを本来のネットワーク切り替え時の問題へ活かす検討を行った。方式設計を完了させ、研究成果も国際会議(査読有)で発表したことから、本課題の進捗率も100%と位置付ける。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、次の4つの課題を、4年間で解決する計画である。[課題1] 故障切り替え技術を参考とした仮想ネットワークの割り当て形態の研究、[課題2] モバイル通信技術を参考とした異種の仮想ネットワーク割り当て手法の研究、[課題3] 仮想マシン技術を参考とした仮想ネットワークの生成・消滅順序の研究、[課題4] ルートサーバ技術を参考とした仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法の研究 2020年度までに、[課題1]および[課題4]について、それぞれ目標の100%まで取り組んだ。このため、今後は、残課題となる[課題2]と[課題3]を主題として取り組む予定である。 2021年度は、具体的には、[課題2]と[課題3]の双方について、基本的な検討を平行して行う予定である。これにより、早期に最終目標の達成見通しを得ることを目指す。 なお、課題への取り組み順序を一部入れ替えてはいるが、4年計画の2年目までに、当初計画通りに50%の進捗率を達成している。今後は残課題に重点化して研究を推進させ、最終的な目標を達成させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度末時点で計画通りに使用している。但し、若干の端数が発生した。 次年度も計画通りに使用する予定である。今年度に発生した剰余金は、次年度における端数の精算へ使用する予定である。
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