本研究では、以下の4つの課題に取り組み、通信を切断せずにネットワークに潜伏する検知困難なマルウェアを駆除する技術に見通しを立てる、という目的を計画通りに達成した。 [課題1] 仮想ネットワーク割り当て形態の研究:従来の自律制御的な故障切り替えシステムに、集中制御用の外部コントローラを組み合わせ、仮想ルータの無瞬断切り替えを半永久的に繰り返せるようにした。この技術を仮想ネットワークへ応用するアプローチで、仮想ネットワークの割り当て形態を明らかにした。 [課題2] 異種の仮想ネットワーク割り当て手法の研究:上述の外部コントローラに、各種ルータへ個別に対応する制御コマンド翻訳機能を組み合わせることで、異種ルータ間でもルータ切り替えを半永久的に繰り返せるようにした。この技術を仮想ネットワークへ応用するアプローチで、異種の仮想ネットワーク割り当て手法を明らかにした。 [課題3] 仮想ネットワーク生成・消滅順序の研究:上述の仮想ルータ切り替え技術を拡張して、異なる仮想ネットワークを終端する異なる仮想エッジルータ同士の切り替えへ応用した。これにより、上述の検討の中で明らかにした仮想ルータの生成・消滅順序を仮想ネットワークへ応用できるようになり、このアプローチで仮想ネットワークの生成・消滅順序を明らかにした。 [課題4] 仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法の研究:仮想ルータから動的経路情報を制御する機能を切り離し、これを外部コントローラへ搭載することで、切り替わる仮想ルータ間で動的経路情報を継承する手法を明らかにした。この技術を仮想ネットワークへ応用するアプローチで、仮想ネットワーク消滅時の情報保持手法を明らかにした。 最終年度は、実験システムを構築して各動作方式の検証実験を行った。特に課題1および課題2に関わる実験結果について、国際会議ICETC2022で発表を行った(査読有2件)。
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