本研究では、人間の知覚に依存しないで認証を可能にするCAPTCHAを開発した。これまでは主に人間がもつ知覚能力を明示的に利用することによって、応答者が人間かコンピュータかを判別していた。一方で我々が提案するCAPTCHAでは、例えばインターネットから得られる自然文をマルコフ連鎖に基づき変形することにより問題を作成する。検証段階では応答者が「人間が本来もつ文意文脈の理解能力があるかどうか」を評価することにより認証する。これにより、利用者は視覚や聴覚といった特定知覚に依存せずに認証でき、高齢者や身体障害者でも容易にかつ安全に利用できるバリアフリー型CAPTCHAの実現を目指した。
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