研究課題
政府が推奨するSociety 5.0では,高度なサービスを実現するためにはエッジークラウドで情報の送受信を行うが,エッジ側のデバイスにおいて解決すべきいくつかの課題がある。具体的に申請研究では,(1)エッジ向けのセキュアインテリジェントモジュールと,(2)プライバシーを考慮した認証方式を開発する。令和4年度(申請研究の最終年度)は,(1)のセキュリティモジュールの安全性評価に関して,深層学習を用いた電力解析手法を考案し,FPGAを用いた評価実験を行った。評価対象はランダムマスクの対策回路で,精度の高い解析を実現したが,予測クラスの偏りが生じるなどの課題も分かり,この偏りを防ぐ手法の開発は今後の課題である。また,(2)のプライバシーを考慮した認証方式に関しては,調整値付暗号をベースとしたグリッチPUFを開発・実装して,なりすましを防止するセキュア認証だけでなく,鍵の更新が難しいエッジデバイスでの安全性評価を実現した。さらに,当初の計画には無く研究を進めていく上で新たに分かった課題については,昨年度の深層学習を用いたステガノグラフィの検討をより深化させると共に,申請研究の出口としてのアプリケーションなどの今後の研究課題について検討を行った。最終年度もこれまでと同様に研究成果については,申請研究に直接関係するものだけでなく,申請研究を進める上で新たに分かった課題に関連するものも含めて,国内の学術論文誌での発表と,国際会議や国内会議でオンラインまたはオンサイトの口頭発表を行った。また,申請研究をこれまでと同様に推進するためにセキュリティ・組込デバイスの専門家だけでなく人工知能の専門家とも,適宜,意見交換・情報交換を行った。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件)
IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems
巻: 142 ページ: 1288~1294
10.1541/ieejeiss.142.1288