研究実績の概要 |
ハードウェアの指紋のような,物理的クローン不可関数(Physical Unclonable Function,以下PUFという)を発見する研究として,1番目の目的は,アナログ部品から物理的クローン不可関数を発見することである. 対象となるアナログ部品が再現性とユニーク性を持つような仕組みを考案するに当たって,今回はHartley発振器とオペアンプによる増幅回路を接続した場合とWien bridge 発振回路に注目した. Hartley発振器のアプローチは回路によって出力される信号から固有識別コードを作成することによりそれぞれのPUF同士でHDを計算し, 個体識別を行うといった手法である.Wien bridge発振器のアプローチは回路の抵抗をディップスイッチにて操作できるように構成した回路を 1つのPUFとする. スイッチを操作することで抵抗値を変更できるようにした理由としては, アナログ素子を用いたPUFの研究として初めてチャレンジの概念を導入する目的がある. 今回のアプローチも,ブレッドボード上に組んだもの全体を一つのPUFとして扱って実験可能なので,学校の実験授業でも教えやすい作りになっていること・革新的な実験テーマになることで2回目の目的も満たしている.
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