研究課題
本研究の目的は、提案する収穫モデルに基づいて地域IoTネットワークから収集されたデータの統計的解析によって、イチゴのような1シーズンに複数回収穫される果樹栽培作物の収穫量予測に関する新たな知見を得ることである。環境にロバストな収穫モデルを構築するには、物理空間の情報(データ)を容易かつ確実に取得できる手段が必要である。2年目までに、汎用電子部品のみで開発したセンサ端末を、地域就農者が運営するイチゴハウス施設(物理空間)内に分散配置し、省電力広域ネットワーク(LPWAN)を用いてクラウド(サイバー空間)へ繋ぐ農業CPS(Cyber Physical System)を構築した。3年目までに、提案する収穫量予測手法の大枠を構築した。その特徴の一つ目は1シーズンに複数回収穫される事実をノンパラメトリックな一般化加法回帰で捉えることである。二つ目は、収穫量の短期変動を回帰における特徴量の差分として考慮する収穫モデルを新たに提案したことである。本年度は、これまで構築したIoTネットワークを用いて収集したデータと手動で蓄積した収穫量データの合計4年分を用いて、提案手法を用いた収穫量予測精度の評価を行った。三年分のデータを学習に、一年分のデータを検証に用いて、交差検証法を用いて各予測精度を平方平均二乗パーセント誤差を評価指標に用いた。結果、従来手法と比べて提案手法を用いれば予測精度が約20%程度改善されることを確認できた。
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IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems
巻: 8 ページ: -
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