研究課題/領域番号 |
19K11988
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
藤間 淳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 統合型材料開発・情報基盤部門, NIMS特別研究員 (30447081)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 探索的可視化分析 / マテリアルズインフォマティクス / 材料データ / 可視化分析プラットフォーム |
研究実績の概要 |
本研究では、探索的可視化分析環境を統合した規材料探索・設計のためのプラットフォームをウェブ上に実現する。また、開発されたプラットフォーム上でのユーザの操作履歴をモデル化して再利用し、特定の種類の材料データ解析に共通に用いられる探索手法 の抽出や、新たな分析シナリオの構築を支援することを可能にするシステムを構築することを目指す。 2019年度は、統合プラットフォームの基盤技術の開発をおもに行い、簡便な操作でカスタマイズ可能な協調マルチビューシステムの基本設計と開発、マルチビューの協調動作のためのバックエンドデータベースの統一的な演算フレームワークの確立を行った。さらに、マルチビューの直接操作とバックエンドデータベースのデータ演算とのマッピング、カスタマイズされたマルチビューの保存と共有のための基本機能の設計・開発に取り組んだ。スキャタープロットなどの可視化部品、ヒストグラムやクラスタリングなどを計算する分析部品、回帰や分類などを実行する機械学習部品をインタラクティブな基本部品として実装し、提供した。これにより、ユーザがこれらの部品をオンデマンドで組み合わせ、自分なりの可視化分析を行うことができるようになった。 また、探索シナリオのモデル化に関しては、ユーザの操作履歴の補足を行うための手法を開発し、プラットフォームに組み込んだ。 さらに、開発されたプラットフォームを触媒データの可視化分析にも応用し、CADS(Catalyst Acquisition by Data Science)として一般公開し、運用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である2019年度は、基盤システムの設計と開発を終え、外部公開もするなど、順調に進行している。加えて、機能改善にむけて必要な情報収集や追加の機能部品の選定など、次年度への準備にも取り組んでいる。 参画中の他のプロジェクトが最終年度を迎え、それに伴う業務や異動のための準備などで時間が取られたが、研究成果を現在論文として投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、本年度に開発されたプラットフォームを保守・運用するとともに、更に機能拡充するべく、追加機能部品の実装、基盤システムの改善を行う。一般ユーザの利用を通して得られたフィードバックをもとに、基盤システムの改善計画を立てて必要な機能の実装をしていく。 ユーザ操作履歴のモデル化に関しては、分析シナリオを構築する上でプリミティブなユーザアクションの選定を行い、それに基づいてモデル化を行い、ユーザの操作意図を推論する推論システムのテスト実装を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、開発プラットフォームのバックエンド用の計算・データベースサーバを購入予定であったが、他の関連プロジェクトで購入したサーバマシンの再利用が可能となったため購入しなかった。また、運用のためのアーキテクチャを検討した結果、当面、クラウドレンタルサーバを用いることで運用することが効果的であるため、そちらで使用した。 参画中の他のプロジェクトが最終年度を迎え、それに伴う業務や異動のための準備などで海外出張ができなかったため、旅費の残余が生じた。 次年度以降は、研究機関異動により新たに購入が必要になったバックエンド用データベースサーバの購入に加え、成果の発表に務める。
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