本研究では、大規模並列計算環境において長メッセージの通信を隠蔽可能とするスケーラブルな非同期通信レイヤHyBuf-MPを実装し、その実用性を検証した。この通信レイヤの特徴は、通信隠蔽に必要なEagerプロトコルのバッファ領域として、DRAMだけでなくNVDIMMも利用可能とすることで、通信用のDRAMの消費を最小限に抑えつつ、長メッセージの通信隠蔽を実現できる点である。本研究の成果として、研究計画時の予想の通り、InfiniBandの通信遅延とNVDIMMのアクセス遅延が同程度であることから、これらを組み合わせた通信バッファが、DRAMの節約と通信隠蔽に効果的であることが確認できた。
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