フラグメント分子軌道法FMOは、巨大分子系に適用可能な電子状態計算手法であり、また、FMO-MD法はFMOを分子動力学法MDに応用した第一原理分子動力学法の一種である。今回、FMO-MD法を、周期境界条件に展開するために、環境静電相互作用に対して、高精度で高速なコレスキー分解を適用することに成功した。一方、コロナ禍での社会貢献として、FMOで新型コロナ由来タンパク質の電子状態を計算するため、FMO-MD法の前段階のMM-MD/FMOプロトコール(古典MDでサンプルした構造にFMOを適用)を用いて、MProやSpikeの電子状態計算を行い、その基質との相互作用を解析した。
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