研究課題/領域番号 |
19K12016
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
清水 郁子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70312915)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 3Dモデリング / 植物 / 3Dスキャナ |
研究実績の概要 |
本申請では,植物の3次元形状モデリング手法を確立することを目的として研究をおこなっている.3次元形状の計測には非接触で高精度に対象の3次元形状が得られる能動的3次元センサを用いる.本年度は,局所的に剛体に近似できる領域に分割して高精度な3次元形状のモデリングを行う手法を開発するために,高精度な3次元モデリング実現に必要な,異なるセンサ位置で得たデータの統合アルゴリズムの開発,計算高速化のために用いる特徴量に関する検討を行った.植物の3次元形状をモデリングするためには複数の異なるセンサ位置で得たデータの統合することが不可欠であるため,複数のセンサ位置で得た3次元データを統合するアルゴリズムが必要である.また,植物は繰り返しパターンも多く,形状も細かく変化するため,類似した3次元的な形状がある場合にも高精度に位置姿勢が推定できる手法を目指している.本研究では,センサの位置・姿勢変化を表す剛体変換を精度よく推定するために,パラメタ空間での整合性に着目し,複数の仮説からカメラの位置姿勢を推定して投票に基づき頑健に推定する手法を開発した.センサの位置・姿勢の推定は対象の同一の点を計測している点の対応づけに基づき推定するが,3次元形状が類似した部分が多く含まれる植物では誤った対応づけが完全には排除できない.この手法では,複数の仮説を整合するかを確認するため,類似した3次元形状を誤って対応づけいる場合にも高精度な推定を実現している.また,計算高速化のために用いる特徴量に関する検討では,能動的3次元スキャナから得たデータに適用可能な複数の特徴抽出手法について比較をおこない,精度を検証した.さらに,計測不可能な部分の3次元形状を補間するための技術についても検討を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今まで用いていた3次元スキャナが故障し,既にカタログ落ちで修理もできなくなったためにデータ収集ができなくなったため.
|
今後の研究の推進方策 |
継続的な植物のデータ収集は不可能であるため,局所的に剛体に近似できる領域に分割してモデリング手法と計測不可能な部分の3次元形状欠損補間の技術の開発を推進する.また,学会発表が難しかったため,成果は論文誌に投稿中である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
機器の故障によりデータ収集が行えず計画の進行が遅れたため,次年度に繰り越しを行い,次年度は3次元モデリング技術開発を中心に研究を実施する.今年度は,3次元モデリング技術開発のため,実装するための研究支援員を雇用する.
|