研究課題/領域番号 |
19K12033
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
大町 方子 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90316448)
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研究分担者 |
大町 真一郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30250856)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パターン認識 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
多様かつ解釈性が高い画像データを生成することが可能なパラメトリック画像生成モデルを開発し、そのモデルを用いて高精度な画像認識を実現することを目的として研究を実施した。本年度は、主に画像データを基本要素へ分解する手法について検討した。これを実現するために、複数の部首の組み合わせからなる文字画像を題材とし、ニューラルネットワークを用いてその文字がどのような部首を持つかの情報のみからその部首に相当する領域を推定する手法について検討した。その結果、偏やつくりの位置を与えることなく、学習のみによってその領域を特定する見通しが得られた。この学習結果を用いると、ある文字が持つ部首に関する情報のみで文字を認識することが可能になることから、画像認識手法開発の指針も得られた。さらに、この手法を発展させることにより、より一般的な画像の場合にもその画像を構成する要素の領域を学習により推定することが可能になると考えられる。また、これとは別に、データをグラフで表し、グラフカットの手法を用いて領域を分割する手法についても検討した。画素をノード、画素間の関係性をエッジと考え、相関の小さいエッジの組を除去することで領域分割を実現することを想定し、画素間の関係性をどのように定義するのが良いか検討した。一方、画像生成に関しては、ニューラルネットワークを用い、画像の欠損領域を修復するアルゴリズムを活用して画像を生成する手法を検討した。すなわち、周囲の情報をもとに欠損領域を予測して生成する考え方を応用し、分割された他の領域の情報を活用してある領域の画像を生成する方法論について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
領域分割について一定の見通しが得られるとともに、画像生成についても基礎的な検討を開始した。しかし、大量データを用いた大規模な実験までは行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度検討したいくつかの項目について引き続き検討するとともに、開発した技術を組み合わせることで画像生成モデルを構築する。さらにこれを画像認識に応用する手法について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:本年度は基本アルゴリズムの開発に注力したために、大量データを用いた大規模な実験までは行えなかった。また、学会発表までは至らなかった。 使用計画:実験用の機器の購入、論文投稿の費用や別刷代等に使用予定である。
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