研究課題/領域番号 |
19K12036
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤原 克哉 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (80333128)
|
研究分担者 |
水戸部 一孝 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (60282159)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 接触センシング処理 / モーションキャプチャ / 人間情報学 |
研究実績の概要 |
作業療法分野における巧緻動作検査は、所要時間・作業量による量的評価が中心で、指先の動きや対象物への力の入れ方の計測による質的評価の実現が課題である。検査感度の向上のためにも、作業中の手指の位置・姿勢・接触力を詳細に測定し、巧緻動作そのものを評価する手法が求められる。しかし、指と対象物の間にセンサを挟む従来型の接触力測定法では、指先の繊細な感覚を阻害し直接触れる条件とは異質の作業となる。 本研究では、実験で得られた爪上に装着した高分解能の位置姿勢センサの変位から接触力の変化による指先の歪みを計測できるという知見を応用し、手指と対象物の位置姿勢情報のみから接触力を多解像度で推定するアルゴリズムの構築を目指す。指先腹部をセンサー等で覆わないため、指先腹部の触覚などの感覚を生かした作業ができる。さらに作業療法の検査/治療の現場でのデータ蓄積と評価により、巧緻動作検査システム構築の基礎技術を確立する。 本研究で用いる主要な実験装置は、高分解能の手指用磁気式MoCap装置と6軸力覚センサー装置の2つである。このうち6軸力覚センサーは、高解像度化のために、本研究を始めるにあたってこれまで研究室で使用していたものよりも分解能の高い機種を導入し入れ替えた。そこで初年度である本年度は、この新装置と既存装置における実験結果の比較評価を中心として、新装置の特性の把握に必要な基礎実験を実施した。また、本研究では、MoCap装置と力覚センサー装置の同時計測が重要となるため、この新装置に入れ替えた場合のMoCap装置の力覚センサー装置の組み合わせにた同時計測システムの構築と調整を実施した。これらと並行して、指の形状や接触力による指の歪みの個人差に関する調査のために、複数の被験者に適用し実験データの蓄積を準備した。これは予備的な実験を先行させたもので、実際のデータ蓄積はシステムの調整後の計測結果を用いる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度末に予期せず実験室が利用できない期間が発生したため,今年度中に実施予定だった実験の一部が未実施となっている.実験時期をずらして計画を再調整しており,また,かわりに実験済みのデータの整理などの作業を前倒しすることで,今後のスケジュールや研究期間全体に対する影響は軽減できたが,今年度の進捗の評価としてはやや遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
前年度から繰り越した実験を早期に実施できるよう準備を進める.その他は当初の計画通りに実施する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた一部の製品の入手可能時期が次年度にずれた.入手が遅れても研究の遂行には影響ない部材であったため,発注を次年度に繰り越した.この繰り越しに伴い次年度使用額が発生した.今後入手可能になり次第発注する.発注時期がずれたのみでそれ以外の使用計画に変更はない.
|