現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は,実績の概要で述べたように,深層状態空間モデルとして,2D畳み込みニューラルマルコフモデルを開発した.この深層モデルにより動画像を扱うことができるようになった.このモデルは,前年度に開発した深層マルコフモデルよりも予測性能が向上してことを評価実験で示している.この研究成果は英文論文誌で公開されている(Halim and Kawamoto, 2020).現在,動画像予測(次フレーム画像の予測)タスクへの適用と評価を進めている. 並行すすめている動画像理解に向けたタスクでは,動画像生成・転写や一人称行動認識に取り組んだ.これらの深層モデルは,動画像の内容や動きを表す潜在表現を獲得し,その潜在表現から生成や認識を実現する.この処理の流れの前半は状態空間モデルのシステムモデルに対応し,後半は観測モデルに対応するとみなすことが可能である.生成系のタスクでは,研究成果を2編の英文論文誌(Kurisaki and Kawamoto, 2020,Uchiyama and Kawamoto, 2021)で公開している.一人称行動認識では1件の国際会議(Takahashi and Kawamoto, 2020)で発表している.その他,国内会議・研究会等で発表している. 以上,動画像理解のための深層状態空間モデル開発と評価実験は,おおむね当初の計画通りに研究を進めており,順調に進展している.
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