研究課題/領域番号 |
19K12060
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研究機関 | 山梨英和大学 |
研究代表者 |
稲積 泰宏 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (30367255)
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研究分担者 |
松田 崇弘 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (50314381)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | QoE / ユーザの価値観 / コンテキスト / 自由視点映像 / HCI |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自由視点映像の応用技術に対する、ユーザの価値観や使い勝手を考慮した、QoEを推定することである。映像に対する既存のQoE評価は、映像を画素の集合と捉え、その信号処理や統計的性質などに基づいている。しかし、自由視点映像の場合、各ユーザによる視点制御で映像内容が変化するため、映像を画素の集合と捉える既存のQoE評価手法のアプローチは適用できないという問題がある。この問題を解決するために、本研究では、異なる視点の映像間で連結する意味情報を考える。自由視点映像の三次元空間を意味情報として表現することにより、意味情報に基づくQoE評価手法を開発する。 本研究のアプローチは、意味情報の比較に着目しているが、画素の集合としての比較は対象としない。したがって、本研究の限界は、画素レベルの類似性を定量化できない点である。一方で、画素に縛られない意味情報に基づいた本質的な比較が期待できる。さらに、本研究で開発する意味情報データ解析により、意味情報の重要度を応用技術やユーザの価値観に応じて制御できるため、システムの持続可能性がある。 2019年度は、既存のデータベースを用いて、画像領域と意味情報の関係を分析する予定であった。しかし、ユーザの利用用途に応じて、必要な情報が大きく異なる可能性が高いことが判明した。そこで、具体的な利用用途において様々な状況の画像の撮影を行った。本研究は、映像や通信品質に関連する融合領域のため、画像符号化シンポジウム(PCSJ2019)・映像メディア処理シンポジウム(IMPS2019)、IEICE CQ研究会に参加し、情報収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、あらゆる場面設定での解析を想定していた。しかし、既存のデータベースを用いた解析にはリソースが限られている。そのため、具体的な場面設定の撮影を優先することにした。2019年度の実験的検討により、(未発表であるが)データ解析の方法が限定的となることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、2019年度の利用用途に基づいた画像のデータ解析について検証する予定である。 また、映像および通信品質の学会に継続的に参加し情報収拾を行い、発表も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は、(1) 研究室立ち上げに時間を要したこと、(2) 研究分担者との移動コストが大幅に削減されたことの2点である。2020年度は、データベースを解析できる環境を構築する予定である。
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