研究課題/領域番号 |
19K12063
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
縄手 雅彦 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (10198400)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ADHD / 動的視覚刺激 / 行動抑制 / ワーキングメモリ |
研究実績の概要 |
ADHD児が学習を円滑に進め適切な学力を獲得するために必要なワーキングメモリについて,この研究では各児童・生徒のワーキングメモリの評価を行うアプリとワーキングメモリを鍛えるトレーニングアプリの開発の2つの開発を本研究では目指している.そのうち,ワーキングメモリトレーニングについては,動的な刺激を画面で表示するという我々が着目する手法を用いたゲームの開発の基本部分の開発を終え,実際に児童・生徒を対象とした実験を行う準備に取り掛かった.また,ワーキングメモリの評価を行うゲーム形式のアプリについても,空間スケッチパッドと言語性ワーキングメモリの両方を評価可能な記憶課題を組み込んだゲームについての開発案を固めた.
しかし,昨年度末の新型コロナウイルス感染の第6波の影響で,協力関係にある東京の発達障がい児を対象とする児童デイサービスに出向いて種々のデータを取る作業ができなくなり,開発の最終段階にまで到達できなかった.一方で,こちらから出向かなくても,リモートで実験を行い,その際の協力児童・生徒の様子も同時に観察できるシステムの開発も試みたものの,画像処理の部分でうまくいかない部分が出てきたため,実施できなかった.今後二つのアプリの開発を終え,年度後半までに実験を開始することを計画している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による本学や島根県の行動指針などにより,自由な東京都の往復ができなかったことから,実際に児童生徒を対象とする実験準備のためのアプリ開発の最終段階を終えることができなかった.プロトタイプの仕上げができなかったため,研究データを取るためのアプリの開発が滞ってしまった.
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今後の研究の推進方策 |
アプリ開発についての指針はすでに固まっているので,何度か実際の児童・生徒を対象とした予備実験を実施し,アプリの最終的な開発を終えることを年度前半に達成したい.年度後半では実際の実験データの取得を行って,効果の検証や成果の発表につなげたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大による移動の規制等で協力関係にある東京都の児童デイサービスを訪問しての予備実験等の実施が困難になったことで,開発の最終的なステップを終えることができず,効果検証のための実験ができなかったことによる.
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