研究課題/領域番号 |
19K12067
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
石井 裕 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (30372642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒューマンインタフェース / コミュニケーション支援 / Web面接 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により,対面での就職面接の開催が困難となり,Web面接を実施する企業が急増した.従来の対面型の面接に対しWeb面接では,就職面接での緊張感に加え,対話中に相手の表情が見えにくいことや,画面に映っている情報しか得られないことなどがあり,これらがさらなる緊張感を煽る可能性がある.そこで本研究では,Web面接における受験者の緊張緩和に効果的なシステムの開発を目的とする.就職活動中の面接について,実際にどのような面接形式や環境が緊張しにくいのかを調査するためアンケートを実施し,その結果を基にシステムを開発した. まず面接形式や面接中の感情,視線等について,今年度就職面接を受けた学部4 年生を対象としてアンケートを実施した.面接前の諸注意や面談等についての項目では,面接前の諸注意や面談があることにより,不安や緊張が緩和されたという意見が多かった.また緊張緩和された面接方法については,面接の前に友人や面接官と他愛のない会話をしているものが多く挙げられた.さらに,面接前にコミュニケーションをとることや見知った人物がいることが受験者の緊張緩和につながる結果が得られた.そこで面接前に設定されたブレイクタイムと本面接に同じキャラクタを用意することで,ブレイクタイムで面接前のコミュニケーション,面接では見知ったキャラクタがいる環境が実現でき,受験者の緊張を緩和するシステムを構築した.先行研究で開発された,話者の発話音声に基づいて身体動作を自動生成する音声駆動型身体引き込みキャラクタInterActor を活用することで,受験者の発話が促進される構成となっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,対話者の身体的情報を反映したアバタを身体的アバタと表現し,この身体的アバタを介したコミュニケーションにおいて,より効果的な支援システムの開発を目的に検討を行っているが,新型コロナウイルスCOVID-19の蔓延によりオンラインでのビデオ対話の需要が高まっており,研究計画に即してこれらに対応したシステム開発を進めた.緊張感のある対話場面を想定し,Web面接を対象としたシステム開発を行っており,また話者動作と音声から自動生成された動作を合成することでインタラクション主体を解明する検討等も進めており,研究課題を順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではシステムのコミュニケーション効果を探る目的で,被験者実験による対話評価を行ってきたが,昨年度同様,新型コロナウイルスCOVID-19の蔓延により実験評価を行うことができないため実験対応に苦慮している.収録した対話動画サンプルを他者が視聴する評価実験方法を検討しており,今後本研究で開発されたシステムの評価実験を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)研究発表,研究打ち合わせの中止と研究計画の変更のため. (使用計画)オンラインシステム開発を優先し,研究を進める.
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